Feminology (6. The Gay One) フェミノロジー(第六話:レズな女)
1.Shouldなのか
ちょっと時宜を逸しましたが、CO2君の以下の問題提起について。
>> ていうか大学側も放置しないで欲しいな。
>> 適切な指導を加えるべきだと思います。
>
> 僕はちょっとこの辺に
> 違和感を感じますね。
>
> 勘違いで(後で)痛い目
> 見るのも自己責任じゃないっすかね?
>
> でもこれはやはり違和感がある。
> 上からの押し付け的な。
そう?
じゃあ、こういう風に考えてみたらどうかなぁ?
大学はサークルの公認申請にあたりサークルの規則を提出させますね?
私も君も学生時代これに面倒な想いをさせられました。
その規則にね、
「留学生は入会不可」とか
「部落出身者入会不可」とか書いてあったらどう思います?
大学はそのサークルに大学公認の立場を与えるかしら。
アメリカの大学のソロリティの規約に「有色人種は入会不可」って書いてあったら?
それでたとえばね、
ゴルフはとってもお金かかるとする。オーケストラでも良いや。
そういう理由で、「貧困家庭出身者入会不可」だったら?
色々理屈は捏ねられるかもよ?
「入っても満足に活動できないから苛められる」とか
「富裕家庭の学生と軋轢が生じる」とか(A大女子と他大女子に軋轢が生じるみたいに)
「大会/コンクールで足を引っ張る」とか
(上記全て、私自身がそう思っているということでは全く全くありません。念のため)
それって正当な理由になると思う?
じゃあ、
「奨学金受給者は入会不可」だったら?
どう思う?事情は変わる?
それか、規約には特に問題ないけど、実体がカルト集団や差別集団(ネオナチやKKKみたいな)だったら?どうする、実態が「嫌韓流友の会」だったら。
私は上の全部、そんな団体公認許可しちゃ駄目だと思う。
実際、大学当局はカルトや差別団体は公認許可どころか活動自体許可しないと思います。
もしここまでCO2君が同意できるのだったら、
何故「女学生は入会不可」は指導(公認取り消し)しちゃ駄目なの???
それとも前段階の他の被差別者集団の例も同意できないの?
こうした指導には重要な役割があります。
それは、
「それらの排除が差別行動であること」
「差別行動を大学/社会が容認しないこと」
を知らしめることです。
逆に、適切な指導が行われないと、
差別行動は蔓延し、それが差別行動であること自体に誰も気がつかなくなります。
「空気の差別」(後述)が定着してしまうわけです。
丁度ね、何処かの国の何処かの州で、バスの席にとあるおばさんが座ろうとして大パニックになったのと同じ。おばさんが「なんで座れないの?」と言い出すまで、黒人がそこに座れないことは皆にとって「必然的」だったし、「あたりまえのこと」だったし、そう決めるのは「コミュニティの自由裁決」ですらあった。誰かが「それが当たり前なのっておかしくない?」と権利と公正のあり方を再発見しないといけません。
> 強制しようとしてできるたぐいのものでも、強制すべきたぐいのものでもないので、賛成しかねます。
悪いけれど、大たっきーの書いていることは、『再発見』して見せても、
必然性だとかコミュニティの自由裁決を主張し続ける超保守派の差別している自覚がない白人と同じだと思う。人の話聞いてないでしょ、ああいう人たちって。
私はガシガシ指導していくべきだと思いますよ?
私はガシガシそういう無自覚差別者の白人に「そういうのは自由って言いません」って喝を入れるべきだと思う。
ファシズム?ヘッ!じゃあKKKが活動する自由とか擁護してれば?って感じぃ(笑)
2.勝間本
実は恥ずかしながら一冊も読んだことなかったんです、勝間さんの本。
本屋さんで平積みされているのはよく見かけていたんですが。
で、本日早速「日本を変えよう」を買い求めて帰りの電車で読んでみました。
あっという間にペロッと読めました。
大部分には諸手を挙げて同意って感じでした。
この連載絡みでいくと、第3章の「空気の差別」から以下の部分とか。
------------引用---------------------------
「まず必要なのは、正しい現状認識です。
男性は女性を差別している面がある。女性は差別されている面がある。女性差別があるのでこれを撤廃しようということが本当のメッセージなのであって、「男女共同参画」などはどう考えてもきれいすぎる言葉です。
私たちは「男女平等」という教育を受けてきたにもかかわらず、現実はちっとも男女平等ではないのです。女性は、女性であるというだけで、制度面で自分が「二流市民」として取り扱われていることを、はっきりと認識すべきです。」
「そして男性は、無意識のうちに女性を差別している。空気のような差別です。これまで受けた教育と社会の仕組みとシステムのなかで、無意識に行動していることが、結果として女性差別になっているのです。」
「日本においてこれほど大きな女性差別があるのに、それと気づかないとすれば、ふだんの現実を見る目、認知がゆがんでいるわけです。少なくとも、女性は差別をされているのだという意識をもつだけでも随分変わると思います」
----------引用終了---------------------------
上の引用はデータや具体例を割愛してしまったので、キチンと中身を読みたい方は書店へどうぞ。
さて、最後の、「差別されているのだという意識をもつだけでも随分変わると思います」
これは正に私が国際ディベート大会におけるEFLについて訴えてきたことでした。
「負けて仕方ないと思うな。20年必死に努力して全く成果が得られないなら何かがおかしいんだ。
もしかしてそもそも自分達が勝てないようにゲームが設計されているのではないか、と疑う目を持て。どうせ日本人なんて駄目なんだ、勝てっこないんだ、という負け犬根性から脱却しろ。」
というのが私の一番の主張でした。
で、たとえば、「そもそも極東が論題に取り上げられたことが一度もないとはどういうことだ、
それで公平なゲームだといえるのか」「なんでEFLのチームには屑ジャッジばっかり回ってくるんだ。同じ参加費払ってるんだ。たまには良いジャッジを寄こせ」といった、「隠れた差別」「見過ごされている差別」、誰もそれまで差別だと認識していなかった差別を『発見』することが私の仕事でした。我ながら一定の成果は得て、後輩の皆さんにはかなりマシな環境を差し上げられたと自負しています。
全く同じことが他のマイノリティについても言える。
日本における女性も同じだと思います。
こちらに関してはたーっくさん先駆者がいらっしゃいますが。
フーコーの、被差別者が「自分は差別されるのが当然だ」と考えるようになった時、『治療』は完成する、という表現は秀逸だと思います。
そういう意味では、「空気のような差別」が存在しているということは、女性に関してやEFLに関しては既に治療完了済みなんですよね。そこからそもそも治療されるような病気にかかっているのか問い直すのは大変な作業です。けどしないと、差別をなくすための第一歩も踏めやしませんよね。
> なるほど、
> 僕は↑が半々(というより7:3)
> くらいなのかもしれません。
そういうわけでCO2君、
7:3じゃなくて3:7が実際だと思うヨ☆
ただね、同勝間本の労働力としての女性についての以下の部分だけは違和感を覚えました。
「私はべつにフェミニストではないし、ジェンダー論者でもないのです。単純に「もったいないじゃないか」論者です」(p.131)
なんだってこんな断りが必要なんですかね?
いいじゃん、フェミニストだってジェンダー論者だって。
(ていうか「ジェンダー論者」ってどういう意味なんだろう)
それにね、女性の差別撤廃を話すのに何で善悪が理由じゃいけないんだろう。損得の話にしなければいけないの???
日本のディベータはえてして善悪の議論を避けたがるんですが、これ、ディベータだけの特性じゃないみたいですね。
けど、同じ勝間さんが、経済的に恵まれない家庭の子供が教育の機会を得られないのはおかしい!って言う時、そこには損得なんてないんじゃないかな?万万が一、それが社会的・経済的に損だったとしても、そうした子供に就学の機会を与えることは「正しい」「善いこと」だからするべきなんじゃないかな?
同じように、女性の労働環境を改善して、女性を労働者として活用する、女性の就業の機会を広げることは、べつに損得に関らず、やると善いことなんじゃないかな?どうして損得の話にもっていかないといけないんだろう。不自然じゃないかな?
3.レズな女
第五話のコメント欄に書いた、「過去の恋愛で得する男、過去の恋愛で損する女」について。
> 男性は周囲に過去の恋愛を次の恋愛する上でマイナスにとられないでしょ。
> それどころか何人落としたかを勲章のようにひけらかす男性もいる。
>
> 女性の側は「前あいつと付き合ってた女」というラベルが悪い意味で言われ続けることが
> 多いでしょう?(最悪の場合、飲み会でその子と次に付き合う男性が「○○と『兄弟』」とか
> 言われる。あれホント最低。)
これ以外にも、振られた男の負け惜しみ/腹癒せというのが女性をコミュニティから追い出す原因になることも結構あります。こちらはもはや女性の方は恋愛さえしていないのにダメージだけ受けるケースです。
私はディベート界で振った男性に「あいつは良いジャッジじゃない」と影で触れ回られたことがあります。
中でもうならされたのは、「masakoはレズだ」というもの。
別にレズが悪いってわけじゃありません。
が、私は生まれてこのかたずっとheterosexualなんですよね。
ちなみにこの台詞を吐いたのは私が申し出をお断りした男性の「弟子」でした。
もはや振った相手ですらない。
友情ってたまに不思議だなぁと思うのですが、
友情の勢いあまって友人を振った人についてまで色々言いたくなる人がいるようです。
実際日本のディベート界でも、ある女性がかなり歳上の男性と付き合って分かれたとき、
彼女がかなり一方的に影で悪く言われていて、正直私は気になりました。
この件に関してはCO2君も無関係じゃないですよね?
まあとにかくですね、私が実際レズだった場合は、
「ああそうさ、そうさ、お前の兄貴分はレズを口説いた間抜けさんよ」
とか言ってやりたいところですが(流石に不穏当すぎるか…)
私の場合はレズじゃなかったわけです。
ていうかね、言い寄ってきた人の「弟子」に私のsexual orientationがわかるかっつーの!
何を根拠にそういう情報流してるわけ?
さて、heterosexualな人がhomosexualだと触れ回られた場合、
「意中の人にまで誤解され、チャンスが遠のく恐れがある」わけですから、
言った張本人としては二つの目的を達成できるわけです。
1. 兄貴が振られたのは兄貴に女性に対しての魅力がなかったせいじゃない、とアピールする
2. 誰かが問題の女性をモノにしてしまうことで、「誰か」>兄貴という構図が生まれる可能性を下げる
無責任な発言で労せずして目的達成確率がそこそこあるわけですからなんともズルイ話です。
でね、こういう負け惜しみ(?)言う男の人結構いるのね!
(あ、なんですか、私を「だめんずうぉーかー」的な目で見ないで下さい。
重ねて言いますがうちの相方は今のところ良い人ですよ、真面目に。
それ以外の方々もちゃんとまともで良い人もいましたよ、今考えると。
でも「妙なのに惚れられた」経験って誰にでも多少あるでしょう??)
そういうわけで、女性の場合、恋愛経験が外聞的にはダメージになる確率が異様に高い上、
ただ惚れられただけでも油断はできない、リスク満載なわけです。
まったくフェアじゃないよね!
(え?振った女性に「あいつホモだからさー」と言われた?ああ、そうですか。そりゃぁ失礼しました。お互い様ですかね。私はそういう例は聞いたことなかったです)
加えてですね、どうも私の受けた印象だとその弟子は私への『悪口』として言ったようなんですね。
それでね、誰かの『悪口』として『レズ』という言葉を使うのはどうなのか、と思います。
同性愛自体は悪いことじゃないわけですから、そういう使い方は誤解を招きませんかね。
そして……負け惜しみって人格でますよね。
やっぱどうせ負け惜しむなら皆の共感を呼ぶか、愛嬌があるか、くらいが良いですよね……
