Monday, January 07, 2019

ディベートは算数なみ

ディベートやディスカッションを四則計算に喩えると、

  • 足し算がスピーチ
  • 引き算がネゴシエーション
  • 掛け算がディベート
  • 割り算がディスカッション

って感じですか。

話者と意思決定者が分離されているのがスピーチ、ディベート。参加者が両方兼業するのがネゴシエーション、ディスカッションですね。

足し算(スピーチ)から引き算(ネゴシエーション)を飛ばして掛け算(ディベート)に行くのは超自然かつ簡単です。

が、引き算(ネゴシエーション)知らずに割り算(ディスカッション)をするのは無理だし、出来れば割り算(ディスカッション)の前に掛け算(ディベート)しときたいですよね。じゃないと筆算に入れない。桁数増えたら引き算(ネゴシエーション)だけで割り算(ディスカッション)するのには限界がある。

丁度そんな関係だと思いますね。

ディスカッションがディベートの集合体だ、と書いたのは間違いではないと思うし議事録に残る部分はその通りなんですが、実質的にはネゴシエーションの集合体としての側面が大きいと思います。

短いディスカッションでは事前協議が殆ど全てで議場で口に上る言葉は重要性を持つとは限りません。そういう意味ではディベート力は出る幕がそこまでないというか。

長いディスカッション(何時間、何日、何ヶ月、何年)でも事前やインターバル中のネゴシエーションが超重要です。というかそこが趨勢を決めることが多いと思います。但し、長くなればなるほど、議事録に残るようなフォーマルな発言の影響が強くなりディベートの腕前も効いてきます。

なので、ディベートさえできれば次に自然とディスカッションを学べるわけではないかと思います。先にネゴシエーションできないとね。

ただ、一桁の足し算ができたら別に8桁同士の足し算とかを暗算できなくてももう引き算や掛け算を始められるのと同じで、レジェンド級の雄弁家になるまでディベート始められないわけじゃないし、タフネゴシエーターかつディベートチャンプでないとディスカッションを始められないわけではないと思います。

そういう意味では小学生がディスカッションしても全く差し支えないですね。ていうかむしろ四則計算並みの基本スキルなので早くやるのが自然だと思います。

(心の呟き1:職業的にこれを言っちゃうのはアレかもですが、大学生にスピーチやディベートを基礎からしてもらう現状は正直残念です。義務教育で基礎は終えるべきでしょ。四則計算並みに全員使うんだから。とか言って私自身引き算と割り算ができない足し算掛け算教員なわけなんですけれどね(笑)って反面教師としては一流(笑))

(心の呟き2:トーナメントディベートで、小学生が中学入試対策でやる鶴亀算みたいな、その後人生で使いそうにないスキルが強調されてしまうのもどうにかならないものかしら。別に算数と違って数学に化けちゃいけない制約もないのに。合否/勝敗をモチベーションにすることの必要悪?なんか、あーーー、こういう過去問重視かつ場当たり的な答えの出し方教えるイマイチな塾の先生いたよなー、みたいな気分になるんですが。)