Thursday, December 22, 2005

ユニバーサル・ノータリン

韓国の高校生から連絡が来ました。韓国で講演した時ファンになってくれた子で(自分の教育者としての才能が恐ろしい、というのは全くの冗談です。ごめんなさい)、以前も連絡をくれたことがありました。

最初普通に近況の話だったんですが、途中から「日本で『嫌韓流』っていう本がベストセラーって本当?」と詰め寄られました・・・

。。。嗚呼、それを訊きたかったのね・・・今日は何のご用事なのかなと思っていましたヨ・・・

えっと・・・そうなんですか?
私も本屋でチラッとは見かけましたが読んでないので内容はよく知りません。売れてるんですか?そんなに?

「まあ、万が一そうだったとしても、読者が皆その本に同意してるとは限らないしね。韓流ブームも本当だよ」と逃げた答えをしてしまいました。ううう。非教育的。ごめんなさい。次回までに勉強しておきます・・・(汗)

その後「日本の学生が『韓国ってカルフォルニアにあるんでしょ』って言ったっていう噂があるんだけど、日本での韓国の認知度はそこまで低いの?」という質問も。

いや・・・それはその学生(?)がスーパー馬鹿なだけ・・・普通はありません、そういう珍答は。(その噂が本当だったとしての話ですが)

仕方ないので、『ボウリング・フォア・コロンバイン』では中年のおじさんがガンジーを知らないって言うシーンがあるし、『パール・ハーバー』を見て「日本ってアメリカと戦争したことあるんだー」とのたまう女子高生もいる。どこの国にもノータリンはいて、上を見ればキリがないのと同じように下にもキリがないの・・・かも?(そう思いたくないけど)なので、幾らボトムが仰天する程やばくても、それは所詮外れ値。必ずしも平均的な層を説明しないかも。今回で言えば、一人が韓国に関して無知だったとしても「日本人が韓国を馬鹿にしてる」ってことにはならないと思うよ・・・と言ってみました。これは正直な気持ち。彼女はそうした例に驚きつつも次第に態度を軟化させてくれました。やれやれ。

もう少し穿った見方をすれば、米国の言いなりにならない国・韓国を、同じく米国(中央政府)の言いなりにならない州・カルフォルニアと重ねたのかも??(それはないか・・・)

まあでも「日本はアメリカの51州目」と揶揄する人たちもいますから、万が一その学生がsarcasticな意味で「韓国はカリフォルニアに」と言ったのだとしても、対象になるのは韓国だけではなく自国もかも・・・という話もしました。(でもsarcasmじゃなさそうな話だけど。)彼女も「ああ、イギリス人もBlairはBushのlapdogだって言うことあるしね」とここら辺では随分相手の口調も柔らかく。少し安心しました。

まあ、やっぱり単に地理がスーパー苦手な子だったというのが一番確率高そうですけど。

そんなわけで、なんとか最終的には友好的な会話に戻ったものの、彼女がどこまで納得できたのかは謎。うーん。まあ、地道に知り合うしかないよね・・・お互いメディアの色眼鏡を外すのには時間がかかるのだろう。。。高校2年生なんて多感な年頃だしね。

でもね、何にしてもこういう訊き難いところをズバーッと訊いてくるこの子の姿勢は大好きです。陰でぶつぶつ言われるよりずっと気持ちいいですね、私的には。彼女の真直ぐさに応えられるだけの洞察力を持ちたいものだと思います。

釘の形

シドニー暴動の話、更に続報が来ました。相変わらず日本のメディアは報じていないようなので、また一応ご紹介します。(この日記読んでくださってる方はディベータじゃない方のほうが多いみたいですね。マニアックなネタが続いて申し訳ないです。どんな話がお好きなのかわかれば多少読者サービスもしたいところですが・・・)

世界大会も間近なので、こんな一つのことに拘らず色んな話題を広く網羅しなければ、と焦る気持ちもあるのですが、コーチの言葉を思い出しました。(はい、選手はここ注目)

「Exampleは釘のように打ち込め」

具体例を提示する時は、一つは聴衆が納得できるように深く説明し(釘の心棒の部分)、類似例を三つくらい沿えて(釘の円盤の部分)一般化に耐えうるグラつかない好例だと固定しろ。ということでした。

移民に伴う摩擦が暴力に発展する例を出すとして、今回のシドニー暴動は、これだけ背景を理解すれば心棒として使えるのではないでしょうか。あとは短時間で説明できるように重要な情報を絞り込んでおきたいですね。

円盤部分は何が良いでしょうね・・・。最近のフランスの暴動と・・・ちょっと古いけどロス暴動(1992)とかどうでしょう。フランスは暴徒が移民側だったし、ロスは移民が別の移民(韓国人)に対して暴力を振るったので、シドニーとは条件が多少違いますね。けど、「移民に伴う摩擦が暴力に発展する例」として使う分には問題ないのではないでしょうか。

日本選手も続々とダブリン入りしているようで、この転載が間に合わない、ダブリンで読んでる、原文を某メーリスで読んだ人などもいるのかもしれないですね・・・頑張れ、日本選手団!!今回は遠方にも関わらず55人というご団体様。嬉しいことですね。ホント頑張れ!そして助け合おう!

アイルランド観光にかまけすぎず大会まで新聞は読み続けたいですね。シャロン首相が入退院しましたね。選挙、そして和平への影響はどんなことでしょう?ニュージーランドにSantarchyが飛び火しましたね。どういう思想背景でそんなことする人がいるのでしょうか?イギリスがEUからのリベートを諦めましたね。EUの財政特にCAPにはどんな影響がありますか?香港でWTO反対デモをした韓国の農民が1000人も捕まりましたね。過激なデモが正当である可能性はあるでしょうか?(いかにも論題になりそうじゃないでしょうか?)大丈夫ですか、押さえてありますか?(え、とっくに予習済み?失礼しました)

とにかく知識は大切です。知識がないと浮かばない発想がありますので。飢えている人がいることを知らなければ援助しようという発想は出てこないのではないでしょうか。地震があったことを知らなければ義援金を出さないでしょう。「優しくなるために学ぶ」んですから貪欲に知識をつけたいですね。他人に納得してもらう、その前に自分を納得させるとなれば発想レベル以上の知識が必要かも。なので、読め読め読めー、です。頑張りましょう。

あ、でも大会始まったらほどほどに。折角聞いた事もないような国の人が隣に座っているのに新聞に鼻を突っ込んでるようでは野暮ですよね。大会が始まったら、世界中の人の生の声を聴くことこそリサーチ。Socializeするのも勉強のうちだと私は思います。パーティもしっかり楽しもうね!

前置きが長くなりましたが、以下転載です。

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自分の書いたことを読み返してみたんだけど、ちょっと説明が一方的だったかも。もうちょっと白人側の背景も触れるべきだったね。

Cornullaはちょっと変わったところだ。平均的オーストラリア(そんなものがあるなら)とは言えない。あそこの住民は若くて、教育水準が低くて、経済的にも恵まれた方じゃない。

でもそれだけじゃないんだ。Cornullaの住民にはちょっと排他的なところがある。

数年前、NSW政府は、鉄道をBondiからCornullaまで引き伸ばすと発表した。つまりは、地域住民の職の機会が増えるように、あの地域へのアクセスを良くしようとしたんだ。

しかしなんとCornulla住民達はその開発計画に反対運動をしたんだ!

政府関係の職につくものとして言わせて貰えば、それは目茶目茶異例なことだ。ほとんど国中全ての郊外はもっと鉄道を、もっと公共交通手段をくれと言ってる。だから、郊外の方がそれを拒否するなんてゆうのは、まあちょっと見ないことだ。

それがあの人たちの、自分達のビーチの愛し方なんだな。皆が彼らのビーチに来たがってることには大満足なんだ。けど実際に来てくれちゃ嫌だってわけだ。

だからあまり裕福な地域じゃないんだ。沢山の移民(特にアラブ系や地中海系)が近隣に住んでるし、'yobs' (and aussie word for redneck) は移民の流入を止めらず彼らとビーチを共有したり幾つかの職を奪われたりされなきゃいけないことに腹を立ててる。そんなわけで彼ら自身がノータリンで人種差別者だからこそ暴力的になってるんだ。

だから○○の中部オーストラリアに対するコメントには同意するね。それは特にCornullaに関して的を射ていると思うよ。

でも全てのオーストラリア人が同じだとは思わないで欲しいんだ。

今日発表された世論調査では、75%のオーストラリア人が多文化主義と移民の受け入れを支持すると答えている。

ちょっと凄いことだろ?
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私の感想ですが、開発を拒否してるからといって排他的・ノータリンとは限らないんじゃないかと。イギリスの湖水地方が鉄道を敷くのに反対したように、開発を制限することで地域の文化遺産・観光資源を守っているケースも結構ある気がします。

でもCornullaビーチが民族問題で特殊だ、というのはそうなのかも・・・?ここら辺はMissyちゃんやnaohdkちゃんの意見を聞いてみたいです。

Tuesday, December 20, 2005

資源は大切にね☆

今朝も相変わらず明け方に宿題終了。できは良いのか悪いのか判然としないものになりました。

中国の炭鉱のある省名がチャンツィーと聞こえるのだけど、英語の綴りはおろか漢字でどう書くのかもわからない。中国の炭鉱をググッてみるも、河北省で起きた事故の話ばかり。いや河北はチャンツィーとは読まないですよね?うーぬ。迷った挙げ句江西省(Chianghi)にしてみました。合ってるのかなあ。

あと、ベルトコンベアのコンベアの綴りをチェックしようとしたらどの辞書もそんな語はないと出るのでプチパニック。コンベアではなくコンベヤが正しいと学ぶのにえらい時間かかりました。ていうか英語の問題じゃないし。後になって、conveyにつけるのがerだったかorだったか確かめたかっただけなんだから英英や英和でも一向にかまわなかったのではと気が付きました。嗚呼なんでもそっと早く気がつかんのかのう、この子は。脱力感ジベタリアン級。

昨日はタイの大学出身、インド在住のミャンマー人から三回も電話がかかってきました。途中一度突然Skypeが途切れて何かと思ったら向うが停電で一度落ちたとのことでした。WebCamの向うにワイヤレスのヘッドシステムを装着した相手が見えるのに不釣り合いに基本的なところに問題あり。インドはインフラがねー、とぼやく友人の言葉が前日のNHK海外ネットワークのまんまで、わー、ホントなんだあ、とか思いました。

ちょっと勝負に打って出ようと思うんだけど、という相談をされました。結局議案が通るのにあと何票必要かという票読みの手伝いまでさせられました。世界大会での投票は、参加規模に応じて各国保有票数が違うので集計プロセスが必要以上に煩雑です。数学は本人の方が得意なはずなのに、あとステータスAの国何ヵ国最低必要、などと言う私の言葉をメモっている友人を見ながらミャンマーでは鶴亀算教えないのかな・・・とかぼんやり思いました。 よく考えたら鶴亀算は中学レベルの方程式で解けるから何処の国でも習う筈だなあ。まあ、良いか。いつもITでわからないことある時は助けてもらってるものなあ。

向うもこっちも自分の作業しながら話しているので、友人の方は部下が書類上の指示を貰いに来るところまで丸見え・丸聞こえ。で、友人ももっともらしく、ここは二言語表示で良いけどここからここまでは三言語にして、とか注文つけてました。指示の内容がインドって感じ。トリリンガルで書類作ってるんじゃオフィスの紙消費激しそうだなあ・・・

あ、そろそろ着きます。それではー。

Monday, December 19, 2005

人間はひとりの方がいい?

森田公一の1976年の歌。「裏切るせつなさに泣かなくてすむから」と続く歌詞は阿久悠作です。人の寄り集まった都会で生きることの葛藤が歌われているようです。

しかし集団生活が沢山の矛盾と葛藤に満ちているというのは、小中学生の学校生活しかり、村落での寄り合いしかり、都市問題しかり。。。

シドニーの暴動の件、更に続報が来ました。同じくメルボルンの白人オーストラリア人からです。この人は私が今までに出会った選手の中でベスト10に入るキレとサエのあるスピーチをする人です。(おそらく千人以上の選手達を見てきているので、つまりトップ1%に入るという意味です)彼みたいに頭が良くなれるなら、・・・何を我慢できるかな。。。うーん、そうね・・・彼みたいに頭よくなれるなら一生禁酒しても良い!!

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まず今回の暴動は偶発的なものではない。ここ数年New South Wales(NSW)では民族対立がひどく高まっていた。人々を極端な思想に走らせた一つの原因は、多発したgang-rapesだ。レバノン系ムスリムの強姦魔たちは、白人(anglo-saxon)の女の子だけを狙った。彼らは非情にも7・8人がかりで公園や駅で強姦したんだ。強姦魔たちは被害者の女の子たちに、「チャラチャラした"skips"(白人オーストラリア人を指す俗語)にレバノンの男の逞しさを教えてやってるんだ」と言ったらしい。

このギャングの首謀者は55年の禁固刑を言い渡された。他のメンバー達も長い刑期を宣告された。(殆どの刑は後で酌量されたけど)

こうした事件はすさまじい報道の嵐を巻き起こした。各メディアはこぞって、いかに残虐な"Lebo" gangs(レバノン系ギャングたち)が善良で真面目な白人諸氏を脅かす存在か書き立てた。それ以来、暴動はいつ起きてもおかしくない状態だったんだ。

今回の暴動は、中東系オーストラリア人の集団がシドニーのビーチをぶらついて、日光浴している女の子たちに「強姦されてもしらないぜ」といったことから始まったみたいだ。それから白人系のライフセーバー(救助隊員)が襲われて、あとのことはご存知の通りだ。

どうか誤解しないで欲しい。人種差別主義的な白人群集を擁護するつもりは毛頭ないよ。ただどうして今回のようなことが起きたのか説明しようとしてるだけなんだ。僕だって今回の暴動には反吐が出そうだ。それから今までオーストラリアでは耳にしたこともなかったようなネオナチのグループが、今では公に活動を行ったり新人勧誘するようになったことも本当に案じている。これはとても危険な傾向で、止めなくちゃならない。

それに酷いことをした"Lebs"はレバノン系のうちのほんの一握りだってことも忘れちゃいけない。丁度ほんの一握りの"skips"が強姦や暴力を振るったりするのと変わらない。だからそんなこと言い訳にはならないんだ。双方のグループのリーダー全員が逮捕されるべきだ。

この週末もシドニーでは暴動があった。前のより小規模だったけどね。あるんじゃないかと噂されたメルボルンでの暴動は結局(幸いにも)全く起こらなかった。メルボルンで暴動が起きるとは思えない。ここにはNSWのような背景がないからね。でも全くありえないとは言えないんだろうな。。。
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というわけでした。

こういう人のコメントを読むと、移民を全てシャットアウトすることで問題を避けている日本という国について考えさせられます。この人みたいな勇気を、私は持っているかしら・・・複雑な背景の中で「これが正しい」と公言するこの勇気が、彼のスピーチをあんなにも分かりやすく、キレのあるものにしているのかもしれません。前回の先生についても思いますが、本当に真直ぐで綺麗な人たちなんですよねぇ・・・

Friday, December 16, 2005

君の瞳は真直ぐすぎる

Missyちゃんの解説で興味を持ったので、ここのところサッカー豪日戦の話題で持ちきりだったオーストラリアの友人達も入っているMLでも「What makes a OZ OZ?」といsubjectで話を振ってみました。

で、メルボルンにいる方からレスがあったのですが、

1. giving a fair goの歴史背景は何?
2. シドニーの暴動についてどう思うの?

といった私の疑問に答えてくれるものでした。
この方は一度来日したこともあるのですが、もうこれでもかという程心根の優しい人です。正義感が強くて熱血で、新婚の奥様をとっても大切にしています。私の理想の上司像そのものです。真っ直ぐな人なんですね。

そんな大好きな先生からのメールで嬉しかったわけですが、なんだか色々考えさせられてしまいました。一部抜粋和訳してご紹介します。

(ちなみにこの方はアングロサクソン系の外見です。また、中部オーストラリアを悪く言っているのは、おそらくご本人の出身地域なのではないかと思います。)
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'fair go'についてだけど、色んな意味を指し得る言葉だね。僕の考えでは、オーストラリアの平等主義的な政治背景と関係あるのではないかな。労働党は、この開拓精神に溢れた土地に、誰もが等しく機会に恵まれるという夢を定着させようとした。(黒人や黄色人種、同性愛者といったマイノリティでなければという話だけど)現実にはfair goといったって本当の平等ではありえなかったわけだけど、人種的な問題を除けば世界の大半の地域よりは平等主義的であったかもしれない。それが"fair suck of the sausage, mate"(give me a fair go"の意)のようなオーストラリア独自の標語を生んだりもした。とにかくこれは機会の分配についての言葉なんだけど、多分に幻想でもある。

暴動については、僕個人は本当に憤りを感じている。オーストラリアの"文化の砦”たるこのメルボルンでは、それが一般的な反応だろう。とはいえ、今週末はゴタつきそうだ。問題は、残念ながら、二重にあるように僕には思える。

1. オーストラリアの多文化主義的たれという努力は、ちょっと過大評価されすぎたのかもしれない。幾つかのグループはそこまで許容されていない。一般論になってしまうのは勘弁してもらいたいんだけど、イタリア系やギリシャ系移民たちは、50年の移民の歴史を経て、今はもう社会の大半に"true blue aussies"として溶け込んでいると言えるだろう。出自を超えた結婚や幼馴染関係みたいな交流が沢山されている。もっと最近になって目立ったのはアフリカ系や中東系移民で、彼らはまずまだそこまで古株になりきっていない。それにより違いが見えやすい(身体的特徴だけでなく宗教的にも)。恥ずかしいことだけど、中部オーストラリアでは彼らに対する社会的認知は低いんだ。ホント単純な話なんだよ。だから彼らも居心地が悪い。だから問題を起こしもするんだ。

2. 中部オーストラリアの住人は、粗野で教養のない無骨者で、反社会的な行動をとりやすい。今回のこともアングロサクソン系のアホたちが始めたに違いないと思う。

こういうことを終わらせるために何ができるのか僕には分からないけど、今晩はメルボルンでも人種差別に抗議するための非暴力デモが開かれることになっている。僕も参加してくるつもりなんだ。できることはなんでもやるべきだから。もしもナチみたいな煽動が起きたら、人種差別に反対する人間が必ずしも非暴力主義者じゃないってことを見せてやるよ。つまりは僕だって棍棒を振りかざす覚悟があるって意味だ。
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どう思いますか?

私は最後のパラグラフに吃驚しちゃって、慌てて「ぎゃー!!あなたの社会正義に誠実なところは大好きだしいつも尊敬してるけど。けどけど怪我しないでね。危ないことしないでね」と書いてしまいました。つーかあなた警察官じゃないのよー!そういうのは警察にまかせよーよぉお。とか思いました。もちろん棍棒云々は彼流の冗談だと思いますが、それにしたって穏やかじゃありません。メルボルンも週末はゴタつくってどういう意味でしょうか??

でもですよ、人口約400万人のシドニーで5000人の若者が暴徒化したって話じゃないですか。人口が9倍いる東京圏ならこれは4万5000人規模相当ですよ。半端なく大きな話じゃないですか。相対的に移民の少ない日本だと想像しにくいですけど・・・。例えば・・・東京の酔った若者4万5千人が「赤字大国にしまくって始末は俺たちに押し付けるのか」とかなんとか言って集団オヤジ狩りとか始めた日には・・・どうにもこうにも恐すぎじゃないですか。ていうか4万5千人動員はありえないですよね。でもそう考えると本当に深刻なのかもしれませんよね。飛び火が心配されるほどに。

当初「酔った勢いでの行動」的に報じられたので、まああったかくなる時期だしねー。ビーチで遊んでてお酒も入ってなんだか極端な集団心理が働いちゃったのね、とか思ってましたけど(それだって十分恐い)、なんだか昨日の晩まで暴力行為があったっていう話じゃないですか。うーん・・・大丈夫かなぁ。去年の夏シドニーで仲良くなった友人はギリシャ系の娘さんでしたが・・・あの子大丈夫かなぁ。友人の殆どはメルボルンなので暴力だけは飛び火しませんように、と祈
るばかりです。

で、そんな風に話が大きくなってるのに、Yahooニュースで「シドニー」を検索するとサッカーのカズの話ばかり何十件も出て暴動なんて2・3件です。MSNニュースは豪州についてはハエの大発生の記事。何をやってるんだ日本のメディアって!!!そんなんじゃどんどんどんどんどんどんどん、世間知らずになっちゃうでしょーーー!!!

Thursday, December 15, 2005

SAYURI

見てきました。世界大会で日本人と自己紹介した瞬間に相手がこの話題を出してくるのは必至なので、「見てない」では話にならないからです。「日本人は自分の国のことも良く知らねえ」的ニュアンスの視線を受けるのは大嫌いです。「日本人はモノを知らない」という先入観が既に植え付けられている人は残念ながら多いと思います。そういう人の中には初対面の相手にもその先入観の裏づけになると思うことを見つけては満足するタイプも結構います。その時になっていくら心の中でハリウッドのジャパネスク映画を見たかどうかは日本を知ってるかどうかと関係ないぞ、と反論したところで何の意味もありません。勝負のある国際コミュニケーションの場では隙を作らないのが必定です。走りこむようにして映画館に入りギリギリセーフ。切符を切るお姉さん的には、達磨ストーブのように防寒フル装備、しかも風邪予防マスクをして息の荒い客が、上演寸前まで変な英語のプリントのファイルに鼻先を突っ込んでて怪しさ爆裂だったかも。えーん。。。だって。

で、映画自体ですが・・・

良かったかも。

やっぱり「芸者役が日本人じゃないなんて」と拒絶反応が出て「見たくない」と仰る方が周りには多いんですが、そこまで違和感はなかったです。もちろん細かいこと言ったら色々ありますが。ていうかみんなが英語で喋ってる時点でもうそもそも現実感は薄すぎるので。キャストや監督が言うようにちょっとジャパネスクな「ファンタジー」だと思えば、割と良い出来なのではないかと思います。

蝶々婦人は私も嫌いです。長野オリンピックのオープニングで蝶々婦人の曲が流れた時はセンスのなさに暴れそうな気分になりました。けど、SAYURIはそういう蔑視された感じはあまりなくて安心して見れました。むしろ「ロスト・イン・トランスレーション」なんかよりずっと感じ良かったかな。(Lost In Translationはなんかイライラとモヤモヤ溜まりません?なんかどこか感じ悪いんですよね)

「細かいこと」も一応書くと、芸者の髪型が日本風ではなくどちらかというと中国風(アミダラ姫の方がよっぽど日本の芸者っぽい)でやけに縦長。あと着物のおはしょりがない。その代わり子供服でするような肩のおはしょりがある(これは結構変)。お化粧は眉が薄すぎる。しかも眉に赤いパウダーが乗っていない。チークが濃すぎる。同じピンクを乗せるなら目周りにいれて欲しい。豆葉役のミシェル・ヨーには白塗りが確かに合わなさそうだけど、色黒で塗りなしの一流売れこ芸者というのはちょっと難しい(けどミシェル・ヨーの声はすごく素敵)。SAYURIも豆葉も着物なのに足まっすぐ出しすぎ。裾がはだけるからもう少し内股に歩いて欲しい。などなどなど。

けどまあ、その程度は仕方ないし許容範囲かな、と。

それよりも感動して思わず涙が出たことが一つ。(他にも泣いてるお客さんがいたようでした。理由は違うだろうけど)

私が感激したのは、

渡辺謙の英語がすごーーーく良くなってる!!!

こと。

ラストサムライでの英語の台詞は字幕がなきゃ分からないような代物でした。バットマンビギンズでは英語で話させても貰えませんでした。

その彼が!!

聞き取れる英語で喋ってる!!!凄い!!よくぞこの短時間にここまで変わったと思うくらい発音もリズムも良くなっています。これはかなり頑張ったんだろうな・・・と思いました。それでもやっぱり子音が抜けることがままあるんだけど、でもどの単語を言いたかったのかはちゃんと分かるので大きな問題なし、です。素晴らしい!!涙モノです。

頑張ったね、渡辺謙!!偉いぞ、渡辺謙!!次はもっと台詞の多い役にチャレンジだ!!

しかしやっぱ芸者役は若村麻由美みたいな芸者姿のはまってる人にやって欲しかったなぁ・・・(若村麻由美が豆葉役とか最高だったと思うんだけどな)

Tuesday, December 13, 2005

越冬・甘党・象牙の塔

やー。とうとう昼日中に雪降る時期に突入してしまいましたね。今日から越冬グッズフル装備です。あったかーい、と今日は思えてもその内慣れてしまってこれでも寒いと思うようになるんだろうなあ。

寒いと甘いものとか高脂肪なものとかに手が出て危険です。ああ今年も冬に太るパターンから抜けられないのかしら。でもシュークリームおいしいにゃあ。

先日デスクの近い先輩に珍しい果物を頂戴しました。冷やして食べたら超美味でした。で、これはお礼せねばとシュークリームを持参したらその日はキャンパスにいらっしゃらなかったようで。うーん、どうしようかな、と逡巡したのも束の間二つ目のシューも私の胃に消えました。あぁっしまつた。いや、ナマモノだしね。カスタードは日持ちしないし。。。

うう。夏はぜーんぜん甘いもの欲しいと思わないのになあ・・・冬期限定甘党だわ。

象牙の塔とは程遠いうちのキャンパスでは自分とフィールドが同じ人を見つけるのはほぼ不可能。作業デスクはともすると象牙の塔というよりただの孤島に。自分のシマでジタバタして一息つくときは、前述の先輩のような方がいるとホッとするもの。有り難い限りです。私もたまには・・・のはずが・・・自分のいやしんぼが憎い。

Monday, December 12, 2005

花より団子 色気より食気

オーストラリアの友人が旅行先のトルコからメールをくれた。写真が見たいなァ。きれいなんだろうなぁ、トルコ。オランダから着たプロジェクトの進捗情報は略語が多くて読みにくい。Philは人名なのか、それともフィリピンのことか?その前後にSingaporeが主語になってる文があるからフィリピンかな・・・中国からはBirthday BookをUpdateする云々とあるが、リンク先のSNSが初めて見るもの。英語のSNSはFriendster以外、登録も使うのも面倒で放っときっぱなし;紹介文書いてくれた人ごめんなさい、の極地。今は何がメジャなのかしら?Hi5?

日曜はシドニー近郊で民族トラブルがあったとか。うーん、フランスから突然飛び火?それとも対テロへの反発?(オーストラリアの対テロ法は結構恐い)とか思いましたが、ArabicとMediterraneanが標的にされたとあるので逆みたいですね。右系の人が暴れたのか・・・。シドニーってゲイとかには凄くオープンで、多様性オッケーって感じするのにね。地中海系ってギリシャ人かな。シドニーはギリシャ人のコミュニティが大きいらしいですね。去年サッカーでギリシャが勝った時凄いパレードしてるの見ました。

でも白状すると、確かにオーストラリアはよく大きな人種対立事件起きないよなぁって印象を受けたことが一再ではありません。こういうとオーストラリア人の友達は驚くんだけど。でもレストランでのウェイトレスさんの対応とか、通りで道を尋ねたりした時でさえ、すこぉーし感じます。あ、私今「アジア人だ」って思われたなって。考えすぎかしら。まあ、オーストラリアに行ったこと自体4・5回なわけで、その程度でどうこう言うと失礼かもしれませんが。でも何故か不思議とアメリカでは感じなかった何かです。どちらも移民の国なのに不思議・・・。

以前オーストラリアの友人に「君と僕は同じ大学生だけど、その前に僕はオーストラリア人で君は日本人だ。僕は男で君は女で、でもその前に僕はオーストラリア人で君は日本人だ。国籍はアイデンティティの一番基本的な部分だ。」と言われて驚いたことがあります。そおうぉおお??年代とか性別とかだってプロフィールの基本的な部分じゃないかなぁ。オーストラリアの子とだってガールズ・トークで盛り上がることってあるしなぁ。他の何よりも国籍っていうのは、ちょっと恐くて私には言えないなァ。大体、ことアイデンティティについては、どれが一番ってそう簡単には言えなくないですかね。「俺にとっては国籍が一番」って言われた瞬間に、「それって見知らぬ同国人と知り合いの私が溺れてたら、迷わず前者を先に助けるってこと?」とかまで考えてしまいました。うーん、そんなこと怖ろしくて私にはとても言えない。。。自分が何言ったか解ってんのかなぁ。彼の場合は国籍が基準で民族が基準じゃないわけなんですけれども・・・それにしてもそんな割り切れるかなぁ。移民の国の人にしては随分おーざっぱなアイデンティティだなぁ;と思いました。

その後、国立病院に治療費を払えない外国人が担ぎ込まれてきた時治療するべきか、という議論にも発展したりしました。この人は「インドネシアから病院行くために来る人たちが大勢いる。非納税者が国立施設を構造的・計画的に搾取しているのは看過できない。しかも来院してる理由が命に関わるような病気じゃないのが殆どなのはけしからん」という意見でした。うーん、確かにフリーライダーが増えちゃうと社会的な問題になるんでしょうけれど・・・しかしなぁ。ことが医療だと人道問題だしなぁ・・・うーん・・・。日本でも一部の市町村で治療費を自己負担できない外国籍人の増加が問題となっているようですね。けど、「外人だから打ち捨て御免」なんて言える人いるかしら・・・まあ構造的・計画的と言えるほど大規模な「病院観光」が発生してないからそうナマッチョロイこと思えるのかしら。。。

もちろん、この人は特殊かもしれません。オーストラリア人が皆こういうナショナリスティックな意見だとはとても思えません。ただそれにしても「移民の国の人にしては大雑把だなァ」という印象は拭えないというか。「こんな発言しても聞きとがめられないんだぁ」と思うというか・・・(自分とこの暴言の多い某知事はどうなの?確かに・・・)イマイチ読めない国・・・

でも同じようなことがアジア人についても言えるみたいです。別のやはりオーストラリア人の友人が、「僕アジアの大学で結構教えてるでしょう?教え子が大会で観戦席にいることも多いんだけどさ。僕とアジアのチームが対戦してると、皆凄い形相でアジアのチームを応援するんだよね。仲間意識なのかな。けどさ、普段凄くなついてくれて教えてくれって言うのに、アジア人じゃないと簡単に敵になるんだね・・・。教え子が僕が負けるのを祈ってると思うとやっぱ辛いんだよね」と言っておりました。そりゃそうだよなぁ。うーん、豪亜大会の豪州vs亜細亜の構図は人種も絡むから更にややこしいです;大学対抗戦で地域対抗戦じゃないはずなんですけどね;それもこの人ある年の豪亜大会の決勝でアジアのチームと当たったんですが、いやー、アジア人が全員綺麗にアジアのチーム側のベンチに座って。何故か私真ん中のどちらかと言うとオーストラリアチームよりに座ってしまって、両側からじろじろ見られて難儀しました;少ないサンプルで一般化はできませんが、その大会に同行していた日本人の子たちは比較的「上手な人が好き」とか「頑張ってる人が好き」といった感じでした。そもそも「俺はアジア人!」という気持ちが薄いみたい。「じゃあお前ら何人なんだよ」って言われれば確かに浮遊系・漂流系。でもその方がいっそ気持ちが良い時もある気がします。

こんなこと言ってて、私も、
「やっぱ俺達アジア人は米喰わねーとメシ喰った気がしねーよな」
というマレイシア人の言葉につい頷いちゃったりすることもあるんですけど(笑)だってやっぱ二週間くらいパン食続くと中華の看板が誘惑してるようにみえるもん(笑)

Tuesday, December 06, 2005

運命の裏木戸

「英語と運命」という本を読んだ。四百ページ以上あるのに半日弱で読めてしまった。そのくらい面白かった。

経験的に語学関係の本というのはハズレが多い。読んで解ることはハウツー本を読むのは時間の無駄、ということくらいだ。外語を学ぶというのは量が質に優先する世界だと思う。母語で外語の勉強法についてあれこれ読んでる暇があったらその分外語で読むのに使った方がなんぼも建設的である。中学を出てしまったら勉強法を工夫するよりスポ根的に無理矢理読んだ方が良い気がする。

しかし今回読んだ本は一味違う。ハウツー的な価値は極めて低い。が、根性出すぞ、と思わせてくれる効果は絶大。何より文章自体が面白いからエンターテイメント性が高い。役に立たなくとも損したとは思わない。世間に数多溢れる外語学習本とは裏腹なコンセプトの本かも。

うーん、こういう本に増えてほしいなあ。

Thursday, December 01, 2005

ゼロからの挑戦

マレイシアの友人からメールが来ました。5月のマレイシアでの大会の間に会おうねって言ってたのに行けなくてごめんね、実はアメリカの大学院に進学しました、とのこと。ほほう。この人は新潟にある大学院も受験していて、その時ちょこっとお世話したのでした。進学上手くいったのかなぁって思ってたから良いニュースで何よりです。で、来月成田経由で里帰りするから成田から電話するよ、と言うのですが・・・皆知らないんですよね。成田がどんなに都心から遠いか。。。師走の慌しい中成田まで会いに行くのはちょっと難しいなぁ・・・うーん、会いに行けないってどう伝えるべきかな・・・

今日はISO規格に関する説明を聞いていますが、なかなか面白いです。

ビデオの書き起こし、終わりました。「真田広之 ゼロからの挑戦 -日英合作『リア王』苦悩と喝采の裏舞台」という2000年に放映されたNHKの番組。真田広之は日本人として初めて、Royal Shakespeare Companyの舞台に出演しました。英語で本場の役者達と共にイギリスの観客の前で演じる。その果敢な挑戦を追ったドキュメンタリーです。

その中では、英語の特訓に明け暮れる日々、プレッシャーと闘う場面、最後にはその英語のアクセントがイギリスの批評家に酷評された記事の紹介など、その挑戦の困難さが分かるシーンが繰り返しあります。パフォーマンスのプロにとって外語でパフォームすることが如何に難しいのかがよく描写されています。この番組はかなり大きな反響を呼び、真田ファンを一夜にして大量に増やしたとか。「ああ、わかるなぁ」と思うシーンが沢山あって感情移入してしまったりします。でも冷静に考えてみると「国際大会でのディベートってある意味これより凄いよな」とか思ったりも(汗)やっぱり台詞が決まっていて、何ヶ月も練習できて、しかもネイティブの専門ボイスコーチとマンツーマンでその決まった台詞を一文ずつ延々練習できるっていうのは羨ましいですね。我々準備時間15分ですからね。

今回私は審査員なのですが、少なくとも私は審査員だと更に緊張します。。。選手ならヘマっても自分が痛い目見るだけですけど、審査員はヘマると選手たちが怒りますからね。当たり前ですけど。聞き取れなかったとか、わからなかったとか言っても選手は納得しませんよね、当然。文句を言われたり噛み付かれたり陰口言われたりするわけで・・・まあ幸いそういう目にあったことは今のところありませんが、よく見かけます。明日はわが身。何が何でも聞き取って、議論を判るか、相手の議論がヘボいから判らないということが判るか、どちらかにしなければならない。世界大会は合議制審査なので、審査員同士の議論の中で理解度が必ず露呈しますし。毎試合テスト受けてるみたいです。ディスカッションも主審の行う判定理由の説明も準備時間ゼロのプレゼンテーションです。ある意味選手以上にプレゼンテーション能力、即応力が問われます。特に主審が判ってないと思われるとホント格好がつかないです。国際大会では審査員にもランキングが付きますしね。ストレスてんこ盛りです。

スコットランド訛りの選手がフルスピードで喋っといて、ノートを完璧に取れって言われてもな、って気はしますけど、訛りで差別しちゃいけない、というルールがあります。自分の訛り考えたらありがたいルールなんでしょうけど。。。あんまり酷い訛りだとせめてスローダウンしてくれよとか思わないでもありません。まあ最近はあまり困ることもありませんが、それでも「蓋を開けてみたらぜーんぜん知らん話題でアホみたいに訛ってる選手が頓珍漢としか思えないセッティングで議論始めたらどうしよう」という恐怖は付きまといます。大抵の場合は杞憂で済むわけですが、それでその可能性に対する恐怖がゼロになるわけじゃないですしね。

そういうストレスに苦しまないで済むためには・・・努力して少しでも自信をつけておくしかない・・・ということで、がんばらな・・・。真田広之も延々ケンジントンパーク走ってましたしね。地道な基礎づくりと当日までの調整が大切ですよね。うん。基本を馬鹿にしてはいけないですよね。