Thursday, January 12, 2006

わーるず四方山 1: 脳膜炎流行騒動の巻き

アイルランドから帰国しました。
その後風邪(インフルエンザではない)を引いて寝込みましたが、なんとか復帰です。

今回の大会も色々ありましたが、なんだか毎年どんどん大会中の自分が忙しくなっていっている気がします。年末年始くらい寛ぎたい気もしますが、まあ前進しているということなのかな・・・?

忘れられないどうでも良いトリビア・エピソードの一つは、脳膜炎流行騒動。

大会も中盤夜8時くらい。ダブリンは小さい街(ホントにビックリな小ささ)。娯楽も少ないし、夜の予定は皆で飲んで喋って踊ることくらい。夕飯も済んで、さてそろそろパブに移動か、という時間にスタッフの声。「各自ホテルの部屋に入ってください」・・・なんで??噂で聞いたのは、アフリカの選手が持ち込んだ奇病でhospitalizedな奴が出た。他の参加者への感染を防ぐため集会を禁止している、というもの。ひょえー。とか思いつつ、時差のせいで既にネムネムな私は「ま、いっかぁ」と布団におさまり、そして翌朝。

バスに乗る時スタッフからプリントを一枚渡されました。
何々?・・・「viral meningitisとは」?「symptom」?
発行元は・・・アメリカの大学のHealth Center。・・・・・・。

ぎゃ!!!昨夜噂になった病気の説明書だ!!
慌てて真面目に読み出す私です。

viralというのだからウイルス性。つーことは感染する?ぎょへー。meningitisってなんだっけ・・・?と思いつつ、とりあえず流し読み。

なになに。「viral meningitisはseriousな病気です。」ぎょえー。
突然の出だしに既にビビリまくりです。

「症状: 発熱・激しい頭痛・光に対するfear・confusion」

発熱と頭痛あたりは風邪とあまりかわらないけど、後ろの二つのニュアンスは何?眩しいのを嫌がる程度なのか、「恐怖症」なのか?? confusionというのは「熱で朦朧とする」のレベルなのか「意識混濁」系なのか??全然深刻度がわかりません。

「進行: 7-10日間熱が続くが、その後完全回復する。
   命に関わるようなことはまずなく、後遺症もない。」

ここでひとまずホッ。麻疹や水疱瘡みたいなものかしら・・・?

「治療: 自力で回復するのを待つ。医師は解熱剤や鎮痛剤を与えて様子を見る」

・・・それだけ?薬とかないの??

「感染: 接触による感染。握手した手で鼻や目の周りを触ることなど」

うーん・・・これは・・・困った。1000人と新しく知り合う場である大会では、握手なんて一日何十人ともします。その程度でうつっちゃうんじゃなぁ。

「予防: 方法なし」

・・・・・・。

「補足: 感染しても発症するのは1000人に1人程度」

・・・・・・。

ここまで読んで思ったこと。

なんで昨夜飲みに行くの禁止だったの??
予防する方法がなくて、どうせ昼間の間に感染する危険が高く、感染してもやばくなる危険はめっちゃ低いのなら、
1000人に夜8時就寝を言いつけても必要性も低ければ解決性もないじゃん!!

ここでバスが満員になり、運転手さんが発車準備を開始。
そこにスタッフが乗り込んできて大きな声で叫びます。

「昨夜はご協力ありがとうございました。
本日も引き続き、夜遊びを制限させていただきます」

ここで一同から盛大なブーイング。

「配布資料をお読みになってお気づきかもしれませんが」

何を?と皆一様に黙ります。

「症状が二日酔いにそっくりです」

あ・・・たしかに・・・

「皆さんが朝具合を悪くしていた場合、単に二日酔いなのか、viral meningitisにかかったのか我々スタッフには見分けがつきません。ですから二日酔いになるような行動は避けてください」

・・・・・・。ああ・・・なるほどね・・・。

で、結局meningitisって何・・・?と辞書を引いてみると、

「脳膜炎」

ぎょへーーー。まあ、スタッフの言うとおりにしておこうかな、と思いました。

結局、大会終了まで最初の1人以外に発症する人は誰も出ませんでした。やれやれです。

実はこの禁酒令の目を盗んで飲みたがる参加者達と、摘発に走り回るスタッフ達の攻防、「修学旅行再演」という後日談があるのですが、それはまた今度。

しかし何か病気が流行ると「アフリカの選手が持ち込んだ」という噂が流れてしまうところに問題を感じなくもありません。これはどうやらガセだったようです。誰のどういう発言がそういう噂に結びついたのかわかりませんけど、アフリカからの参加者の耳に入っていたらとても不快な想いをさせたに違いありません。非常時こそ精確な情報が大切ですね。

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