Wednesday, September 10, 2008

Feminology (3. The Lucky One) フェミノロジー(第三話:強運の女)

早く続きを書け、というプレッシャーを感じつつ、ちょっと閑話休題。
誕生日近辺が異様に忙しく、バタバタとなってしまいましたので…

で、ちょっとずれますが、今話題のOutspokenな女、というとやっぱり政治?

ヒラリーは駄目でしたが、突如ペイリンさんが登場して話題になっていますね。
しかしね、銃規制反対もどうかと思うけど『中絶反対』!???
私としては少しくらい政策上の方向性が違っても女性候補に頑張って欲しいところですが、
個人的には中絶する権利に反対する女性は簡単には信用しないことにしています。
そしてペイリンさんは私的には8割五分の確率で不可。
自分がどれだけエグイ主張してるのか分かってたらもう少し説明する必要性を感じると思う。
大した説明もなしに中絶反対を主張できるというのは真面目な話人格に問題を感じます。

さて翻って自民総裁選。小池さんが出てますね。

衆院選が囁かれ始めて私のような無党派層には厳しい季節です。
何処に入れれば良いのか選挙の度に悩まなきゃならないんだから…

えっと、まず共産党。
志位さんのスピーチはとても分かり易くて芯があって大好きなんですけど、
……しかし流石に共産党はなぁ……

社民党。
党首が苦手。表現が激しく幼稚で紋切り型、中身がちっともないから。

民主党
本来、たまには与党交代しないと競争原理が成立しないので、できればこの党に頑張って欲しい……ところだけど民主党はとにかく政策が分からない。岡田さんの時は憲法改悪反対、前原さんは場合により改正可能、小沢さんは積極改正論者…なのにインド洋給油反対???私にはどういうことか意味が分からない。小沢さんって国際貢献積極派なんじゃないの?国連が謝意を表明していてもやっぱり駄目なの?ホント分からない。分からない以上票は入れられない。自民党の総裁選が耳目を奪ったからというより、民主党自身の政策の不明瞭さが伸び悩みの原因だと思う。

公明党
政教分離の原則に抵触しているのではないかという不安がある、というより、
この政党が関係している特定の宗派の教義に強い疑問を感じているので
私としては入れられません。一神教っぽい宗教が苦手なの。

自民党
はあ、というわけでやれやれ、やっぱり自民党なのだろうか…(溜息)
福田さんが退陣会見で「あなたとは違うんだ」と言った時、
この国大丈夫か…よく記者団が暴動起こさないな…、とか思ったのですが、
しかしより良いオプションがないのも事実…。

という程度のコミットメントですが、
それでも、総裁が小池さんになったら積極的に票を投じますよ!

まず麻生さん。
この人だけは嫌。絶対イヤ。
首相になったら靖国参拝するかという質問に
「昔祖父に連れて行って貰った。是非参拝したい」
という意味の返答をしていて怒り心頭。
国政は特定の家族の私有物じゃないっつーの!
発言の各所に血統主義的な匂いがするのも苦手。
野中さんに部落差別発言をしたとかしなかったとかいう記事を読んでも、
この人ならしかねないな、と思わされる。
基本的に弱者の痛みを共有する基礎的能力がないのではないかと思う。
そんな人に首相になって貰っては困ります。
麻生さんが総裁になったら自民党には絶対入れません。

石破さん。
んー。確かにテレジェニック。悪くないかなと思う。
とりあえず何言ってるのかは大体分かるから。
けど軍事マニアかーーーーーーー。そこがちょっとマイナスかなぁ。
ただタイミング的には安全保障が大切なので期間限定的にメリットなのかも。

石原さん。
不可。メディアに露出している割に何が言いたいのか分からない。
分からない理由は中身がないからではないかと思う。

与謝野さん。
この人の言っていることは割と分かる。
この年代の政治家としては珍しいかも。
敢えて増税を検討している点も誠実なのかもしれないと思わされる。
堅実な印象だけどもしかして実は情熱家?
経済面はともかく社会面の主張が良く分からないのが難点。

そして小池さん。
情熱ではなく理性で政治を考えてそうに見える。
政治家には情熱を求めがちな私としてはその点がちょっと残念。
あと言ってることはおかしくはないが抽象的。
分かるような分からないようなアナロジーで逃げる傾向がある。
そしてキャッチフレーズが一々チープ。
もう少しマシなスピーチライターを雇って欲しい。

しかし、女性だ。何と言っても女性だ。

「ヒラリーさんがガラスの天井という表現を多用しましたが、
日本の女性達の現状についてどう思いますか」
というテレビ番組での問いかけに対し、
「アメリカではガラスの天井かもしれないが、
日本ではえてして鉄板の天井だ。
破るには鉄の女と呼ばれたサッチャーのような強いメッセージと意志が必要になる」
という返答をしていて好感度アップ。そうだよねー。
鉄の女じゃなくても一時的にでも鉄の女に化けてみせる根性が必要よね…

小池さんが近々発表するという政策案に大いに期待します。

さて、同番組内で「小池さんの出馬についてどう思われますか」と
話を振られた片山虎之助。
「いやー、あなたが出馬することで華を添えましたよ、小池さん」

……(怒)

私が小池さんだったら手近な物を投げつけたいところです。
ていうか私は片山さんの選挙区じゃないけど、仮に選挙区民だったら
「こいつには絶対投票するまい」と思わされる一言です。

与党の総裁選に出馬しようって候補者を
『サンドイッチについてくるパセリ』や
『南国風カクテルについてくるハイビスカス』かなんかのように!!

「tokenとして候補者が出るのは良いんじゃない?
でもまさか本気で本当に選ばれるとは思ってないでしょ」
と言わんばかりですよね。
(この点については、向井万亀男さんの『君についていこう』を読んでみよう!)

この人、元総務大臣ですって!?
人権政策を担う総務大臣!!

ひっこめ、あほんだらあ。

勿論、「いや、何も考えないで言ってるだけで深い意味はないんだよ」とか
「単純に褒めてるつもりなんだよ」とか色々弁護はあるのでしょうが…
センシティブさに全く気がつかないという点で政治家失格だと思います。

やっぱりこういうおじさん達の感覚を一新するためにも、
何とか「初の女性総裁候補」を「初の女性総理大臣」に変えて貰いたいです。


さてさて、こういう女性達が良く言われるのは「幸運」だということ。
まあどんな地位でも挑戦する機会を得られるということは幸運なことなのでしょうが、女性で成功する人は、「ラッキーだっただけ」という否定的な意味で幸運だと言われることが多い。それがどうにも苛々しますね。

よく帰国子女を掴まえて「英語できて良いなぁ」と言う人が居ますが、あれは「あなたが凄いんじゃなくて、育った環境が幸運だっただけ」という意味を多分に含んでいたりします。あれ、私はカチンと来るんですよね。って私は帰国子女じゃないんだけどさ。でも帰国子女には帰国子女の苦労があるのだろうと思う。経済的に恵まれてるとか、タレント二世だとかいうのとは違うと思うんだけどなぁ。まあここら辺は自分の中でも未消化ですが…

とにかく、成功する女性は他の女性に比べたら幸運だったのだろうと思います。
けどさ、男性と比べて幸運かどうかは分からないよな…と思う。

確かにヒラリーは元大統領夫人だし、
ペイリンさんは『無名』の状態からマケイン爺さんに抜擢されたし、
小池さんは小泉爺さんに大抜擢されたかもしれない。

それを「女だから得た幸運だ(ズルイ)」的に言うのは間違ってると思う!!
そういう尋常でない幸運でも舞い込まなければ女性がチャンスさえ手にできない、ということでしょう?
そっちの方が問題だと思う。

私は初の女性候補が幸運に恵まれたからといって支持する気持ちは変わりませんね。特別幸運な女性にガンガン鉄板の天井を破いていって貰わないと前に進めないんだからしょうがないじゃん!

ところで、ふじま君のコメントに、masakoは「女だから」ディベートを続けていられる、という意味のものがありましたが、ホント世迷言を言うなっつーの。大学時代ディベートしていたOBOGで、30代に入ってもまだディベートしている人を思い浮かべたら良い。何人思い浮かべられるか知らないけど女性は一週間前に30になったばかりの私独りっていう人が大勢いるんじゃないの???思い浮かんだ面子の大半が女性になって、初めて「女性の方が得だ」と言って欲しいね!少しは頭使って欲しいよ、ホント。

1 comment:

Anonymous said...

まさこさん、興味深くドキドキしながら読ませてもらっています。
それにしても、まさこさんのディベーターとしての姿はすごいですね。空気のように生きている自分には、ハッとさせられることだらけです。

以下の文など、
>本当に、Society is not readyですね……(溜息)そして、Social Awarenessは放っておいても上がらない、……だから、辛くても声を挙げなければならない、と無理矢理自分を鼓舞してみる。
…事なかれ主義、無味無臭に生きてる自分には胸に響く言葉です。
そんな、まさこさんの言葉を読んだら少しコメントを残したくなってしまいました。汚してすみません。

畏れ多くも僕が感じたところでは、大たっきーさんの言う内容の方がしっくりきます。僕が男だからでしょうか?

>(大たっきーさん)倫理的理由で個人の好き嫌いの自由まで制限しようというのはかなり挑戦的で排他的な考え方です。(もちろん「あえて」だとは思いますが)

大たっきーさんの言うように、人間の意識のレンズを無色透明にするのは不可能ですし、それを強要することは暴力的行為以外のなにものでもないと思います。僕らは人間ですので、それを感じるなと言われて感じなくすることはできませんし、たとえその意識が誰かを害することになっても、感情に統制をかける行為の方が疑問を感じます。

しかし、まさこさんの言う以下の話には大賛成です。
>(まさこさん)大たっきーさんの言っている多様性ってのは、「奴隷制を支持する人と支持しない人の多様性」とか「ゲイをリンチしたい人としたくない人の多様性」とか「ス トーキングしたい人としたくない人の多様性」とか「人種差別発言をしたい人としない人の多様性」とか「部落出身者に就業の機会を与えたい人と与えたくない 人の多様性」とかいうレベルのものでしょ。そんなの多様性とは呼ばないと思う。

そんなの多様性ではないと思います。すごく賛成しますし、そうあるべきです。
ただ、個人的には以下の文章の真意がうまく伝わってきませんでした。

>(まさこさん)そして『思考』について問題にすべきだとも思っています。ここに「大たっきー」さんが異論を唱えること自体私には大変な驚きです。行動だけが問題だったのは100年前の話です。英語でディベートする人ならtokenismという言葉を習っている筈ですね。

まさこさんの問題意識の始点として、現実の明確な差別の存在があると思います。
しかし、その差別の原因として「女性への言説」を問題にすることはできても、人々の自由な思考を問題にすることはできないと感じます。問題にすべきは言説の形成過程であり、人々の意識そのものではないのではないでしょうか。

そこで自分としては、大たっきーさんの以下の発言がしっくりきてしまうのです。

>(大たっきーさん)仮にそういった思考が一般的であるがゆえに弊害が起きているならば、それは政策的に解決される課題ではありますが、そういった考えまたは表現を規制する方向で解決するのは明らかに誤りです。スズマサさんの怒りは、それがステレオタイプな思考により引き起こされた差別的結果にではなく、思考そのものに向けられている時点で違和感を感じます。

僕らは人間ですので、一般的に個人の自由な意思を規制するべきではないですし、そもそもそれは不可能だと思います。問題とすべきは、なぜ人々が女性をそのような存在として認識してしまうのかであり、その言説の形成過程こそを悪とすべきなのではないでしょうか。意識そのものを悪とするのではなく。

個人の意識をコントロールすることは難しいですが、社会的認識もしくは潮流といったものは政策的に良い方向へ導くことができると思います。社会的認識なんて抽象的で、結局社会も個人の総体でしかないのですが、しかし大局的な流れというものは存在していると思います。例えは、部落差別が解決されたと言わないまでも、少なくとも緩和されたように。男性の育休率が変化するように。人々の意識が社会的なvalues やnormsによっての結果であるとするならば、それら社会的要素を第一の問題とすべきなのではないでしょうか。
  …少し卵が先か、、、の話になってしまいそうですが。

現実に性差別の問題が存在し、目指すべくあるべき姿を描いた時に、解決へ向かう姿勢の違いがあるのかなとも思いました。論点がズレているのか分かりませんが。

そうなると、女性首相によるインパクトを!とかになるのですかね。Society is not readyですね。何か起こさなきゃ変わらないのは尤もな話です。

そもそも、難しい問題ですね。本当に。