Tuesday, August 29, 2006

愛は地球を救う? Love saves the world?

今日は、ひょんなことから普段忌み嫌っているラヴ論題でスピーチしました。忘れると勿体無いので、やはりメモっておくことにします。

論題は「バレンタインを廃止すべし」で、私は否定側の第二スピーチを担当しました。スピーチ時間は5分、準備時間は15分と、普段より少し短めでした。以下が私の覚えている限りの自分のスピーチの内容です。やはり論題が論題なので、多少ユーモアを交えて面白おかしく話せるように心がけました。

(野球の松井選手(ゴジラ)によれば、上達と成功の秘訣は経験を記憶することだとか・・・。記憶力の悪い私は駄目です。その法則だと・・・。せめて書き残すことで覚えておけなくても思い出す手がかりは残して置こうっと・・・)

ちなみにこのラウンドの前に、裁判員制度の廃止の試合を見学しました。ものすごくレベルの高い試合で大変勉強になりました。ああ、いつもこういう試合だったらどんなに大会の審査も楽しいだろう・・・

-----------------------------------------------
肯定側は先ほど、バレンタインは画一的な愛の象徴だと述べられました。
しかし私たち否定側は、それでも愛は地球を救う、と信じます。
愛情表現の方法・機会・手段は多ければ多いほど良いと思います。

まず何故バレンタインが大切な愛情表現の機会なのかをご説明し、その後コストとベネフィットについて考察します。そして最後に私自身の議論である経済効果についてお話したいと思います。

1.まず愛情表現の機会としてのバレンタインについてです。
バレンタインが愛情表現の一種であることは確かです。
普段ことさらに口にはしない感謝の気持ちを上司に伝える。
今まで言えなかったけど実は好きだと告白する。いろいろです。
たとえ義理チョコであっても、今後まったく縁を切ってしまうつもりの相手には渡さないわけです。
たとえばお父さんが娘にチョコを貰えばやっぱりうれしいでしょう。
バレンタインはそうした愛情表現の大切な機会になっているのです。

これに対して肯定側は最近はそういうご時勢ではない、いつでもどこでもだれにでも愛情を表現できるようになったんだと言っていました。しかし、
1)愛情表現の機会は多ければ多いほど良いではありませんか
2)皆がみんな、いつでもどこでも誰にでも愛情表現できるわけではありません。肯定側の分析は単純すぎると思います。そういう人ばっかりではありません。日本では特に、愛情表現をしにくい文化があることは先ほど私のパートナーが説明してくれました。
3)もし本当にみなさんがいつでもどこでもだれにでも愛情表現できる状況にあるなら、少子化が1.25という出生率まで深刻になっているはずがありません。

これに対して肯定側は、女性にかかる経済的コストが大きいという話をしていました。しかし
1)女性が男性のためにお金を使うことは良いことです。なぜならまず①経済効果があるからです。これについては後ほど詳しくご説明します。そして②女性たちは楽しんでいます。そうでなければデパートに大挙して押し寄せてキャーキャー騒いでいるはずがありません。あれはレジャーなんです。彼らのお金を彼らの楽しみのためにつかうことにやましいことはなにもありません。
2)これはフェアな負担です。なぜならホワイトデーにお返しを期待できるからです。

次に2点目として肯定側は、勝ち組・負け組(ここで肯定側第一スピーカ「その点について」とPOIをオファー)に分かれてしまうことで劣等感が生まれてしまうという話をしました。その話に移る前にどうぞ。

肯定側第一スピーカのPOI: ホワイトデーのお返しはもらえるとは限らないんじゃないですか

それは、この人にはどのくらいのお返しを貰えそうかな、ということを良く検討してどの位の金額のチョコレートを買うか決めればいいんです。

さて、二点目として勝ち組・負け組に分かれることによる劣等感が生まれると肯定側は言いました。
しかし、
1)恋愛において勝ち組・負け組が分かれるのはバレンタインデーに限ったことではありません。どうせ25年以上一度も彼女ができたことのない男性もいれば、一度に5人の女性と付き合う男性もいるんです。それが現実です。現実を無視しないでください。
2)皆が愛を貰えなければ、皆がチョコを貰えなければ、みんな平等だというのは偽善的です。全員一等賞のかけっこと同じです。
3)それよりも、どんな人に自分はモテて、どんな人にはモテないのか、マーケットを熟知することが重要です。バレンタインデーはまたとないそれを知る機会です。恋愛を促進しています。
4)また、チョコが欲しいから、と自分を磨くのなら、それも恋愛を促進することにつながっています。

現代は、お見合いビジネスを国がやらなければならないほど、出会いがない、きっかけがないことが問題になっているのです。バレンタインが少しでも愛情表現の機会を増やすなら、それは巣晴らしことです。

さあ、3.経済問題についてです。

年齢にかかわらず平均して、一人の女性がバレンタインに使う金額は7000円といわれています。
6000万人、人口の半分が女性として、これは4200億円相当になります。
更に、ホワイトでーには3倍返しの法則があります。こちらは1兆2千億円になります。
合計1兆7000億円の産業です。

いくらパチンコが3兆円産業だとは言っても、それは年間で3兆円です。
バレンタイン産業は、わずか1日や2日でほぼ2兆円を達成してしまうのです。
こんな素晴らしい市場を捨ててよいのでしょうか。
この2兆円の産業は日本の景気回復にどんなに消費拡大の形で貢献してきたことでしょう。

しかも人々はこの消費を楽しんでいます。
誰も彼らに強制していません。
チョコを買いたくなければ買わなければ良いんです。
楽しめて経済に貢献できる。
(ここに「まさに愛は地球を救うのです」と入れる筈がうっかり忘れる)
だからバレンタインはあるべきです。
---------------------------------------------------

この試合は4-0で否定側の勝ちでした。ヤッター。とはいえ、パートナーの方が大変大人な方で、初心者にもかかわらず上手に合わせて下さったので、それに助けられたと思います。 初めてとは思えないほど落ち着いた方でした。

スピーチの評判自体は、割と良かったようです。エンターテイメント性と理詰めな部分のバランスがほど良かったというコメントを頂戴しました。内容的な密度は5分のスピーチとしてはいっぱいいっぱいだったのでは、と言われました。確かに詰め込み過ぎたかな、とはちょっと思いました。というか、またもや、反論と立論のバランスが悪い。反論までで4分使って立論は1分強しか使えませんでした。せめて2分は裂くべきだった・・・。まあ、でもラヴ・モーション嫌いのmasakoとしてはまあ良かったのかな・・・。はあ、やれやれ。まあ大きく失敗せずに済んで何よりでした。

2 comments:

Anonymous said...

>どうせ25年以上一度も彼女ができたことのない男性もいれば、一度に5人の女性と付き合う男性もいるんです。それが現実です。現実を無視しないでください。

ここに爆笑しました。はい、現実を無視してはいけませんね。

3)それよりも、どんな人に自分はモテて、どんな人にはモテないのか、マーケットを熟知することが重要です。バレンタインデーはまたとないそれを知る機会です。

これは妙に納得しました。そうか、そんなbenefitがとw

ついでに昔マーケティングの授業のプレゼンでホワイトデー商戦で調べたときわかったんですが、実際はバレンタイン市場は2500億円くらいでホワイトデーは500億円くらい。ゴディバの売り上げの7割がバレンタインチョコらしいです。そしていまや、ゴディバ=本命チョコ=好きですになるらしいです。

機会があればどっかで使ってみてくださいw

go said...

atashiさん,コメントありがとうございます。

> そうか、そんなbenefitがとw

あはははは。ね。けど,モテたいグループ以外にモテてたら辛い現実かな(笑)

> バレンタイン市場は2500億円くらい
> でホワトデーは500億円くらい。

なるほどぉ。我ながら2兆はハッタリ過ぎだろうと思っていたので,信憑性のある数字を教えていただいて嬉しいです。

重要(?)なのはこれが純粋な菓子代なのかどうかでしょうか。付随する費用も込みの額はもっと高くなってくれたり(ついディベート用の頭に・・・)しないでしょうか。一緒にあげるプレゼント代とかラッピング代とか。

まあでもきっとクリスマスには負けるんでしょうね,やっぱり。