Thursday, December 15, 2005

SAYURI

見てきました。世界大会で日本人と自己紹介した瞬間に相手がこの話題を出してくるのは必至なので、「見てない」では話にならないからです。「日本人は自分の国のことも良く知らねえ」的ニュアンスの視線を受けるのは大嫌いです。「日本人はモノを知らない」という先入観が既に植え付けられている人は残念ながら多いと思います。そういう人の中には初対面の相手にもその先入観の裏づけになると思うことを見つけては満足するタイプも結構います。その時になっていくら心の中でハリウッドのジャパネスク映画を見たかどうかは日本を知ってるかどうかと関係ないぞ、と反論したところで何の意味もありません。勝負のある国際コミュニケーションの場では隙を作らないのが必定です。走りこむようにして映画館に入りギリギリセーフ。切符を切るお姉さん的には、達磨ストーブのように防寒フル装備、しかも風邪予防マスクをして息の荒い客が、上演寸前まで変な英語のプリントのファイルに鼻先を突っ込んでて怪しさ爆裂だったかも。えーん。。。だって。

で、映画自体ですが・・・

良かったかも。

やっぱり「芸者役が日本人じゃないなんて」と拒絶反応が出て「見たくない」と仰る方が周りには多いんですが、そこまで違和感はなかったです。もちろん細かいこと言ったら色々ありますが。ていうかみんなが英語で喋ってる時点でもうそもそも現実感は薄すぎるので。キャストや監督が言うようにちょっとジャパネスクな「ファンタジー」だと思えば、割と良い出来なのではないかと思います。

蝶々婦人は私も嫌いです。長野オリンピックのオープニングで蝶々婦人の曲が流れた時はセンスのなさに暴れそうな気分になりました。けど、SAYURIはそういう蔑視された感じはあまりなくて安心して見れました。むしろ「ロスト・イン・トランスレーション」なんかよりずっと感じ良かったかな。(Lost In Translationはなんかイライラとモヤモヤ溜まりません?なんかどこか感じ悪いんですよね)

「細かいこと」も一応書くと、芸者の髪型が日本風ではなくどちらかというと中国風(アミダラ姫の方がよっぽど日本の芸者っぽい)でやけに縦長。あと着物のおはしょりがない。その代わり子供服でするような肩のおはしょりがある(これは結構変)。お化粧は眉が薄すぎる。しかも眉に赤いパウダーが乗っていない。チークが濃すぎる。同じピンクを乗せるなら目周りにいれて欲しい。豆葉役のミシェル・ヨーには白塗りが確かに合わなさそうだけど、色黒で塗りなしの一流売れこ芸者というのはちょっと難しい(けどミシェル・ヨーの声はすごく素敵)。SAYURIも豆葉も着物なのに足まっすぐ出しすぎ。裾がはだけるからもう少し内股に歩いて欲しい。などなどなど。

けどまあ、その程度は仕方ないし許容範囲かな、と。

それよりも感動して思わず涙が出たことが一つ。(他にも泣いてるお客さんがいたようでした。理由は違うだろうけど)

私が感激したのは、

渡辺謙の英語がすごーーーく良くなってる!!!

こと。

ラストサムライでの英語の台詞は字幕がなきゃ分からないような代物でした。バットマンビギンズでは英語で話させても貰えませんでした。

その彼が!!

聞き取れる英語で喋ってる!!!凄い!!よくぞこの短時間にここまで変わったと思うくらい発音もリズムも良くなっています。これはかなり頑張ったんだろうな・・・と思いました。それでもやっぱり子音が抜けることがままあるんだけど、でもどの単語を言いたかったのかはちゃんと分かるので大きな問題なし、です。素晴らしい!!涙モノです。

頑張ったね、渡辺謙!!偉いぞ、渡辺謙!!次はもっと台詞の多い役にチャレンジだ!!

しかしやっぱ芸者役は若村麻由美みたいな芸者姿のはまってる人にやって欲しかったなぁ・・・(若村麻由美が豆葉役とか最高だったと思うんだけどな)

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