Friday, December 16, 2005

君の瞳は真直ぐすぎる

Missyちゃんの解説で興味を持ったので、ここのところサッカー豪日戦の話題で持ちきりだったオーストラリアの友人達も入っているMLでも「What makes a OZ OZ?」といsubjectで話を振ってみました。

で、メルボルンにいる方からレスがあったのですが、

1. giving a fair goの歴史背景は何?
2. シドニーの暴動についてどう思うの?

といった私の疑問に答えてくれるものでした。
この方は一度来日したこともあるのですが、もうこれでもかという程心根の優しい人です。正義感が強くて熱血で、新婚の奥様をとっても大切にしています。私の理想の上司像そのものです。真っ直ぐな人なんですね。

そんな大好きな先生からのメールで嬉しかったわけですが、なんだか色々考えさせられてしまいました。一部抜粋和訳してご紹介します。

(ちなみにこの方はアングロサクソン系の外見です。また、中部オーストラリアを悪く言っているのは、おそらくご本人の出身地域なのではないかと思います。)
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'fair go'についてだけど、色んな意味を指し得る言葉だね。僕の考えでは、オーストラリアの平等主義的な政治背景と関係あるのではないかな。労働党は、この開拓精神に溢れた土地に、誰もが等しく機会に恵まれるという夢を定着させようとした。(黒人や黄色人種、同性愛者といったマイノリティでなければという話だけど)現実にはfair goといったって本当の平等ではありえなかったわけだけど、人種的な問題を除けば世界の大半の地域よりは平等主義的であったかもしれない。それが"fair suck of the sausage, mate"(give me a fair go"の意)のようなオーストラリア独自の標語を生んだりもした。とにかくこれは機会の分配についての言葉なんだけど、多分に幻想でもある。

暴動については、僕個人は本当に憤りを感じている。オーストラリアの"文化の砦”たるこのメルボルンでは、それが一般的な反応だろう。とはいえ、今週末はゴタつきそうだ。問題は、残念ながら、二重にあるように僕には思える。

1. オーストラリアの多文化主義的たれという努力は、ちょっと過大評価されすぎたのかもしれない。幾つかのグループはそこまで許容されていない。一般論になってしまうのは勘弁してもらいたいんだけど、イタリア系やギリシャ系移民たちは、50年の移民の歴史を経て、今はもう社会の大半に"true blue aussies"として溶け込んでいると言えるだろう。出自を超えた結婚や幼馴染関係みたいな交流が沢山されている。もっと最近になって目立ったのはアフリカ系や中東系移民で、彼らはまずまだそこまで古株になりきっていない。それにより違いが見えやすい(身体的特徴だけでなく宗教的にも)。恥ずかしいことだけど、中部オーストラリアでは彼らに対する社会的認知は低いんだ。ホント単純な話なんだよ。だから彼らも居心地が悪い。だから問題を起こしもするんだ。

2. 中部オーストラリアの住人は、粗野で教養のない無骨者で、反社会的な行動をとりやすい。今回のこともアングロサクソン系のアホたちが始めたに違いないと思う。

こういうことを終わらせるために何ができるのか僕には分からないけど、今晩はメルボルンでも人種差別に抗議するための非暴力デモが開かれることになっている。僕も参加してくるつもりなんだ。できることはなんでもやるべきだから。もしもナチみたいな煽動が起きたら、人種差別に反対する人間が必ずしも非暴力主義者じゃないってことを見せてやるよ。つまりは僕だって棍棒を振りかざす覚悟があるって意味だ。
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どう思いますか?

私は最後のパラグラフに吃驚しちゃって、慌てて「ぎゃー!!あなたの社会正義に誠実なところは大好きだしいつも尊敬してるけど。けどけど怪我しないでね。危ないことしないでね」と書いてしまいました。つーかあなた警察官じゃないのよー!そういうのは警察にまかせよーよぉお。とか思いました。もちろん棍棒云々は彼流の冗談だと思いますが、それにしたって穏やかじゃありません。メルボルンも週末はゴタつくってどういう意味でしょうか??

でもですよ、人口約400万人のシドニーで5000人の若者が暴徒化したって話じゃないですか。人口が9倍いる東京圏ならこれは4万5000人規模相当ですよ。半端なく大きな話じゃないですか。相対的に移民の少ない日本だと想像しにくいですけど・・・。例えば・・・東京の酔った若者4万5千人が「赤字大国にしまくって始末は俺たちに押し付けるのか」とかなんとか言って集団オヤジ狩りとか始めた日には・・・どうにもこうにも恐すぎじゃないですか。ていうか4万5千人動員はありえないですよね。でもそう考えると本当に深刻なのかもしれませんよね。飛び火が心配されるほどに。

当初「酔った勢いでの行動」的に報じられたので、まああったかくなる時期だしねー。ビーチで遊んでてお酒も入ってなんだか極端な集団心理が働いちゃったのね、とか思ってましたけど(それだって十分恐い)、なんだか昨日の晩まで暴力行為があったっていう話じゃないですか。うーん・・・大丈夫かなぁ。去年の夏シドニーで仲良くなった友人はギリシャ系の娘さんでしたが・・・あの子大丈夫かなぁ。友人の殆どはメルボルンなので暴力だけは飛び火しませんように、と祈
るばかりです。

で、そんな風に話が大きくなってるのに、Yahooニュースで「シドニー」を検索するとサッカーのカズの話ばかり何十件も出て暴動なんて2・3件です。MSNニュースは豪州についてはハエの大発生の記事。何をやってるんだ日本のメディアって!!!そんなんじゃどんどんどんどんどんどんどん、世間知らずになっちゃうでしょーーー!!!

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