Friday, October 20, 2006

全然わからん!インフレ・ターゲティング Learning about inflation-targetting seems impossible

昨晩ざざーっとモデルを読んでみました。

うーーーーんんん.....
これって私が経済音痴だからわからないの?
それとも議論の欠陥なの??・
・・前者なのかも・・・。
実際私は非常識なほど経済がわからないので・・・

しかし,一点だけは確信しました。どのアーギュメントもrelevanceが低い。

常々ポリシーとパーラの違いは大してない,と主張している私。
今でもそう思ってはいますが,細かな点では多少の違いを感じます。
ポリシーはrelevanceの評価が変(パーラはセオリーの評価が変)。

いや,けど私が読んだのはあくまでモデルですからね・・・変で当たり前かも。
後で現役生が実際に使ってるケース見せてもらおうっと・・・

とりあえずKESSAモデルとKAEDEモデルを読んだ感想。
後で質問ができるようにメモしてみます。
経済に明るい方いらっしゃいましたら是非ご教示下さいませ。

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1. KESSAモデル

1-1 Claimがあり得んほど抽象的

経済が苦手な私には正直意味が全然分からないような抽象度です。
例えばAffirmative CaseのInherencyは以下のようになっています。

a) Inherency: Instable value of money
1. 日本ではインフレ目標が導入されていない。
2. そして,日本の物価は不安定です。
3. それはすなわち貨幣価値が不安定ということです。
4. 貨幣価値が定まらないと,経済活動全体が困ることになります。
5. 経済活動が鈍化すると,デフレになります。
6. A/L 日本はまだデフレ状態である。

特に4と5!
私には,「経済活動全体が困ることになる」というのはどういうことなのか,皆目見当がつきません・・・。「経済活動が鈍化する」も同じく。そんな一口に経済活動って言われても・・・
しかも4と5の「経済が困る」と「経済活動が鈍化する」は引用文献を見ると全然別のものを指しているみたい・・・。前者は先物取引がよりリスキーになるという話で,後者は不景気のことみたい。これは同一のものとして扱ってしまって良いのでしょうか・・・。何ヶ月も先の値段を設定しにくい,というのは不景気を起こす要因になるのかしら・・・。うーーーん・・・私程度の経済理解度では,ここのリンクはもう少し説明してもらわないと何が何だか分かりません・・・でももしかしてこれは常識??

1-2 理論が理解できない

例えばb)1のevidence。

「デフレが続くと何が悪いのでしょうか?まず企業や家計の実質的な負担が増加してしまいます。借金やローンの実質的な返済額がデフレによって増加し,また人件費などのコストが高止まることで家計や企業は苦境に陥ります。」

ぜーーんぜんわっからーーーん!!!!
デフレって物価が安くなることじゃないの???
なんで物価が安くなって家計の負担が増えるんだ??
安く買えれば消費者には嬉しいのでは?百均万歳なのでは??
価格破壊すれば生産者は泣くけど消費者はハッピーでは??
なんで借金の返済額が増えるんだ??
デフレだと金利が安いのだと思っていましたが・・・
低(ゼロ)金利時代は預けても良いことなくて,逆に借金するには良い時期かと思っていましたが・・・

しかもなんでデフレ時代は人件費が高止まるの???
デフレで価格破壊が続くと企業は競争力を保つために人件費は削るのだと思っていましたが・・・
だからパートや契約社員が増えてるんじゃないの・・・???
どっちかっていうと逆に失業問題が深刻なのでは??
賃金上昇率って普通物価と連動してるから,デフレ時代は最低賃金が下がりはしなくても据え置きになったりするんじゃないの?
公務員の給与とかもそうだったのでは・・・?
そうすると人件費は抑えられるのでは?
しかし物価が下がっていれば給与が据え置きでも生活はさほど悪化しないのでは???

全部私の思ってたのと逆のことが書いてある!!!

やたらと「実質的な」という言葉がつけられているところが味噌なのかもしれないのですが・・・・・・

だめだぁーーーー!!!
私にはわからなーーーーい!!!
これって常識だから省略されている説明を,私はされないとわからないという状態なのでしょうか??

更にはUnderview。

eviには,

「先行きの物価上昇見通しが3%、インフレ目標が2%なら、中央銀行は短期金利を引き上げ,金利は上がっていくだろうとの見通しが立つ。企業は早めに借金をして工場を建てた方が金利負担が少なくてすむ」

・・・とありますが・・・・・・,そうなの????

放っておいたら3%なところを2%に抑えたい場合のことなんだよね??
金利を引き上げちゃったらよりインフレが進むんじゃないの??
皆が引き上げを予想して投資を急いだら物価が上がるのでは??

だめだ・・・本気でわからん・・・
うーん・・・二週間後の審査が一気に不安になってきました。

1-3 リーズニングがない

これは私のせいじゃない。モデルが悪い。でもモデルだから仕方ない?

b)3はD/Rで,物価を安定させることが日銀の使命だ,とあります。
で,evidenceの中身はそのまんま。リーズン皆無。のおおお。

1-4 メカニズムがわからない

ここは明らかに私の経済音痴ぶりが問題。

「目標インフレ率を2%に設定して,日銀は国債購入でインフレ率を調整する」と言われても,国債購入でどうやって目標インフレ率に調整できるのか。私にはそのメカニズムが分からんのです。

なんとなく国債を買いまくれば,国債の評価が上がりそうな気はする・・・けど国債の評価とインフレ率はどういう関係なのだろう・・・KAEDEモデルの方のDAに,金利が上がると国債価格が下がる,とあるので,もし仮に逆も真なら,国債価格が上がると金利は下がる???金利が下がると物価も・・・下がるのかなぁ・・・???つまりインフレ率を下げたい時は日銀が国債を買い,上げたい時は国債を売る・・・ということなのかしら・・・?しかしなんだって国債価格が上がると金利が下がるんだ???

やっぱりメカニズムが分からない・・・
Planの直接的な影響すらイメージできない!!
なんと致命的な・・・
誰か私に経済知識をインスタント注入してくれないかしら・・・
今からマクロ経済の授業採るわけにもいかんし・・・

Solvencyの説明も同様に分からないことが多すぎる私。
金融当局が目標インフレ率を公表するとアナウンスメント効果で市場がそれに誘導される,というくだり。・・・なんで???なんで市場は目標インフレ率に勝手に近づいて来るんだ???市場なのだからその方が得だと計算しているのでしょうが,なんで目標値に近づけることが投資家の利益に適うのでしょう・・・??

ダメだ,真面目に全然わからん。

1-5 このevi使っちゃだめじゃない??

c)1のevi。

ソースを見ると「現時点におけるインフレーション・ターゲッティングは時宜にかなった政策提言ではない」という記事から引っ張ってきている。・・・ダメじゃない??これ記事自体はNegativeの趣旨のものでしょう?こんな一部だけ不自然に切り抜いてきてサイテーションしちゃって良いの??まあ,ディストーションまではいかないのでしょうが・・・evidenceとして使うのはどうかな・・・

2.KAEDEモデル

2-1 やはりClaimが抽象的でリンクに難

こちらのモデルでもInherencyを例にとると,

Contention 1: 明日が見えない
a) 今そこにあるデフレ
1. 今、日本はデフレから脱却しつつある。
2. よってゼロ金利も解除された。
3. しかし、ゼロ金利政策の成功はアメリカ経済が鍵を握る。
4. そのアメリカ経済は今秋徐々に悪化する。
5. 結果として日本はデフレに戻ってしまう可能性が高い。
6. デフレを未然に防ぐために、インフレターゲッティングが必要である

となっていて,こちらは3と4のリンクが私にはかなり不明。

3で述べられている「米国ファクター」というのは,4で述べられている「米国の景気」のことなのかしら??それとも米国の投資家が円や日本のインフレ率をどう評価するか?そんなわけで「米国ファクター」と「アメリカ経済」が同じなのかがそもそも分からない。同じだったとしても「アメリカ経済が鍵を握る」と言われてもどう握ってんだか全然わからんちん。えーーん・・・

しかも全体的にこのinherencyは,インフレターゲティングが必要だ,というよりも,
ゼロ金利の延長が必要だ,という内容に思える・・・うーん・・・

2-2 やはり理論が理解できない。

例えばContention1 a)6。

「目標範囲の下限を1%にして、CPIの指標の持つバイアスに対応し、かつ経済の下方へのショックへの糊のり代しろを持つことが必要だ。」

・・・意味不明です,私には(涙)

「CPIの指標の持つバイアス」って何・・・????
「経済の下方へのショックへの糊代」って何・・・????

更にはContention1 b) 3のevi。

「インフレという役者はマントを着て人知れず舞台に上がってきて、ある日パッとマントを脱ぐ、するとおどろおどろしいインフレの正体が明らかになり、誰も止められない、というのは過去の例が示している。」って・・・・・・あの・・・・・・そんな文学的な表現をされてもですね・・・理屈がわかんねーんですが・・・

2-3 矛盾して見える

私にはContention1のa)とb)が両立するように見えないのですが・・・

Contention 1: 明日が見えない
a) 今そこにあるデフレ
b) インフレのある未来

とあるのですが,a)でデフレする危険が高い!と叫んで直後のb)でインフレする危険が高い!と・・・

どっち???

両方一辺には起きないわけですよね??時間差,という意味なのでしょうが,それもちょっとどう辻褄が合うのか私にはかなり不明です。いつ,どういう形で逆転するわけ??

しかもContentionのタイトルが「明日が見えない」なのに,b)のClaimは「2015年ごろ化石燃料不足のためインフレになる」と明言。・・・見えてんじゃん・・・

まあ,凄くデフレするかもしれないし,凄くインフレするかもしれない。どうなるのかわかんない!って言いたいのかもしれませんが,evidenceはそういう内容では全然なくて理由を挙げて予測しているわけで・・・。やっぱり両方とも主張するのは無理があるのではないかと。

Contention2 b) の「リハビリ費用」というのも私にはさっぱりわからじ。

「1. ディスインフレは仕事を奪う。
Q) したがって、経済がインフレ率を引き下げるには、高い失業率と少ない生産量の期間に耐えなければならない。(Omission) インフレ率と失業率のデータを検討して、インフレ率を引き下げるコストを推計した研究は数多くある。これらの研究による発見は、しばしば犠牲率と呼ばれる統計にまとめられる。犠牲率とは、インフレ率1%ポイント引き下げる過程で、年間の生産量が何パーセント・ポイント失われるかを示す数値である。典型的な犠牲率の推定値は5である。すなわち、インフレ率が1%ポイント低下するごとに、年間生産量が移行の際に5%犠牲にならなければいけない。(UQ」

・・・これってインフレを調整すると生産量ががた落ちするっていうDAのeviじゃないんでしょうか・・・??そしてタイトルは何故「リハビリ費用」??

2-4 そしてSolvencyはアナウンスメント効果一本??

日銀が過度のインフレはしない,と言うだけで市場が安心する,というだけのSolvencyのようです・・・。・・・まじで・・・??そんだけなの・・・??あの・・・実際にインフレ率が調整されるメカニズムとかは・・・??

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うーーーーーんん・・・・・・

分かったことは・・・
(1) インフレ・ターゲティング論題難しーーーー!!!  
  このままジャッジしちゃ不味い!
(2) それにしたってもっと素直なargument作れないの??
  なんか妙に捻りすぎていて基本的なところの説明がスコーンと抜けてる印象

うーーーんん・・・でもモデルだからなぁ・・・とりあえず実際に使われてるケースのほう見てみようとは思いますが,やっぱり焦りますね。

とにかくあと一週間で少しは分かるようにならんと・・・

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