Friday, February 02, 2007

【Book】現代ディベート通論 Contemporal Debate Theories


【本】伊豆田達志ほか.2005.『現代ディベート通論 復刻版』.東京:ディベートフォーラム出版会.(初版1985)

最近復刻版が出た、伝説のディベート教科書。
復活のニュースにマニアが沸いた一品。

これ一冊で大抵のことは網羅できてしまう優れもの。
しかし初心者や、実際の試合を見たことのない人には不向き。
おそらく何が何だかわからない。

ディベートに関しては大体わかった、と思った時に一度は必ず手にとって欲しいかな。

[ここから追記: 2007年2月2日]

春セミナーでAdjudicationの講座の担当を希望したので,久々に現代ディベート通論を開けています。パーラのAdjudicationの解説でも,一応こちらと比較対応できるようにしておきたいです。で,パラダイム,パースペクティブ,フォーカス,フィアットあたりはもう一度お浚いします。その後のセオリーの扱いはここまでが解ればどうとでもなる筈・・・と思っているのですが,ここまでの解説だけでもレジュメが厚くなる(当たり前か)。うーん・・・どうするべきか・・・理論編はかっ飛ばして実技編だけにするべき?

疑問1.決論命題の被正当化性について

p.30「これは価値命題と事実命題の混同から来ている。事実命題では,例えば"X is A"と"X is B"とは同時に成り立たず(但し,A =/B),"X is B"とも言えそうならば,"X is A"とはならないと言える。」

とあるのですが,これおかしくないですかね。
例えば,「Xさんは女だ」と「Xさんは学生だ」は両立すると思います。
私はホント論題を事実だ価値だ政策だと分ける意味を感じません。

【Book】 Izuta Tatsushi et al.2005.Gendai dibeito tsuron fukkokuban. Contemporal theories of debating (republished editon).Tokyo: Debate Forum Press.(first published in 1985)

The legendary debate textbook reprinted recently.
A lot of debate manias went crazy when they became to know the revival of this historical work.

This single book covers almost everything about debating.
However, it is probably not for beginners.
It is a bit technical and too difficult and boaring for them.

This is something we need to read whenever we felt that we have leaned about debate enough.

1 comment:

Anonymous said...

>>疑問1.決論命題の被正当化性について
p.30「これは価値命題と事実命題の混同から来ている。事実命題では,例えば"X is A"と"X is B"とは同時に成り立たず(但し,A =/B),"X is B"とも言えそうならば,"X is A"とはならないと言える。」とあるのですが,これおかしくないですかね。
例えば,「Xさんは女だ」と「Xさんは学生だ」は両立すると思います。<<

”=/”という記号だけでは不十分かも知れませんが、ここでのA、Bは互いに背反する(mutually exclusive)事実を指しています。例えば、「地球は円い形をしている」に対して「地球は正方形をしている」。この場合、円形と正方形は同時には成り立ちません。よって、ある事実が円形を説明できても、もしその事実が地球が正方形でも成り立つならば、その事実は「地球は円い」という命題を正当化できないということです。(上の疑問で上げられた例では、女学生という概念が成立する通り、「女」と「学生」は相反しないので、そもそも該当しません。)

一方で、価値命題の場合、例えば政府の行為によって人命が救われるならば、政府以外の誰かが実行してもっと人命が救われる場合であっても、取り合えず政府はその行為を行うべきと言えるのではないか、だから、所謂JUSTIFICATIONを以て価値命題を否定できないのではないかというのがここでの論点です。