Thursday, May 17, 2007

月の雫 water from the moon

しばらく前に壊した眼鏡のバランスを微妙に保って作業中です。右目はもうあんまり痛くなくなってきました。素人の当て推量ですがあと二日くらいで随分良くなるのでは。怪我の方は・・・なんだかよく分からない感じ。これは良いのか悪いのか、どうなんだろう。

さて、

セリーヌ・ディオンの曲でこういうタイトルのがあったんですけど、あの音域の広い声をがなるようにして「do i gotta get water from the moon?」と尋ねる部分が妙に印象的でした。一体water from the moonというのがどういう訳に相当するのか分からなかったわけなんですが、「月に存在するとか存在しないとか言われている(多分存在しない、というかあまりに少量なので蒸発してしまっている)水」のことなら、ちょっとかぐや姫めいています。蓬莱の玉の枝や燕の子安貝と張り合うのに「月からの水」ではちょっと味気ないので、月の雫と訳してみました。フルセンテンス訳すと「あなたに愛されるためには月の雫でも必要なの?」とでもなりますでしょうか。

先週末は、ええ、その・・・、結局アジア大会(元祖の方です)に顔を出してきました。2年前の分裂以来あまり良い印象がなく、正直失礼したいと思っていました。が、開催地が韓国ということで、韓国との関係を悪化させすぎるのは避けたい・・・というジレンマの結果でした。特にJが熱心に誘ってくれたこと、Lが日本に教えに来てくれた直後だったこともあって、全く顔を出さないのでは義理が果たせないなぁ、と思った結果でもありました。それで、2年前の新・アジア大会見学の時と同じく「短期見学者」の立場を採ることでまあなんとかお茶を濁そう、というわけだったのです。

3年前まで、アジア大会は他に類を見ない暖かい大会でした。「アジア」という言葉が必要以上に他の地域(特にオセアニア)への対抗心を助長することは好ましくないことでした。しかしそれを補っても尚あまりある魅力を持つ大会でした。大会の間中、皆笑顔で茶化しあったし、子供のように戯れていました。国籍は殆ど意味を持たなかった。誰もが「気がつくと全然別の国の会ったことのなかった多国籍の人たちに囲まれていた」という状態をしばしば経験しました。

今の両アジア大会はツンドラ地帯のようです。もう片方のアジア大会を意識するあまり、どんどん政治性が増してしまっている。特に元祖アジア大会は一部のディベート以外の理由で投票する汚職審査員が大きな顔をしている。あれは酷い。その上お互いに不信感が渦巻いている。「俺達の脚を引っ張った奴が見つかったらこっそり教えてやるよ。もしかしたらよく知ってる近しい奴かもしれないと思うよ」という某選手の言葉に、大会の絶望的なまでの腐敗を見ました。それは世界大会が今も昔も政治的であるのとは全く別次元の話です。笑いあっている友人同士が、相手に暗闇でグサリとやられるのを恐れているなんてあんまりだ。「あの素晴らしい愛をもう一度」ではありませんが、あの暖かいアジアを取り戻すにはそれこそ「月の雫」でも必要なのかもしれません。 おかげですっかり私は「内向」モードで非社交的に過ごしてしまいました。とは言っても夜の飲み会はそれなりにあちこち顔を出しておきましたが。

ところで日本の選手の社交の仕方は少し方向を変えたようです。社交的な人と社交的でない人の2種類しかいなかった以前とは異なり、現在は3種類に分かれるようです。①社交的でない人、②特定の国の人とだけ社交的な人、③様々な国の人と社交的な人。どうやら新規参入大学には②が異様に多い。まあ分からないでもありません。ただ、いわゆる「肝」の飲み会に行くと、顔を見る日本人は2人とかでした。まあ、正味二日(3晩)しかいなかったのでたまたまなのかもしれません。

試合の感想は、まあ後日に譲ることにして、今は3晩それぞれの記録を一応残しておこうかな。

最初の夜はあちこちの人と再会を祝っておしゃべりをしました。韓国・マレイシア・シンガポールを中心にあちこち回りました。雨降ってたから、それぞれ皆各寮舎に分かれて集まっていました。マレイシアチームと飲んでいるときに、「ねえ、どっかタオルが手に入る場所知らない?」と訊いたら、「やたら小さいのなら参加者キットに入ってるよ。でもマッジ小さいよ」という返事が返ってきて盛り上がりました。その後カルチュラルナイトでそれが替え歌になっていて思わず笑ってしまいました。

次の晩は、なんだったかな。ああ、ウォッカ・パーティだとかで、屋外の寒い中皆でアホな話題で飲みました。ていうかウォッカ飲むのは普通ミキサー必要じゃない?寒いからってストレートで注ぐのやめて下さい、マジで。どこの人が多かったかなぁ。韓国系と東南アジアが多かったかな。その内ペルー出身の方が郷土舞踊を教えてくださいましたが、最初から実技編だったため、基本のステップをちゃんと覚えられませんでした。残念。

最後の晩は、意味不明などんちゃん騒ぎでした。でも主要キャラ勢ぞろいでした。ああいう飲み会こそ日本人も沢山参加して欲しいのだけど、いたのはI大のT君とG大のAちゃんだけでした。うーん、残念。そういえば韓国勢が外国人講師達以外殆どいなかったので、おそらく日本人や韓国人は別に集まっていたのでしょう。韓国のチームは夜のうちに帰ってしまった人も多かったし。中国勢も少なかったですね。うーん、それ以外はほぼ全ての国が揃っていました。歌を歌いだすわ、意味もなく笑い出すわ、その内何故か飛び入りのファイアー・ショー(!!)が始まるわ、ヘンな集まりでした。皆にやたら「masakoはもう来ないんじゃないかと思ったよ。来てくれてよかったよ」と言われ、切なくなりました。ごめんね、みんな。みんなのことは大好きなんだよ。私が非社交的に見えたなら、それは大会の腐敗を憂いているから。腐敗した大会の性質は変えなくちゃ。今、ギリギリのところだよ。みんなだって気がついてる筈だよ?・・・でも、あの場にいた人たちこそが暖かさを保とうとしている「実情と背景を知っている」良識派なのに、彼らとの交流も敬遠しようなんて確かに了見狭かったかもしれない。その後、気がついたら何故か英語村の職員達まで飲み会に混ざっていて、私達はデトロイトやニューヨーク、トロントの人たちとまで入り混じって飲んでおりました。あれは一体何だったんだろう。バンブー・ソージュー・マジック??

どの晩も私は梨花女子大のチームと同室させて貰いました。これが皆素晴らしく可愛いんだ!!その内の一人と北朝鮮の話になって、凄く感銘を受ける話を聞けました。今度アップしたいと思います。

まあ何にしても今年一押しの大会はオーストラルエイジアンです。
一人でも多くの選手が参加できると良いなぁ、と思います。

・・・・・・でも、そうね、まだ月の雫も探し続けてしまうかもしれないな。
誰もが微笑み交わしたあの素晴らしい愛を夢見てしまうかもしれないな。
でも、それには、Do i gotta get water from the moon? :p

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