Tuesday, January 30, 2007

[Book] インテリジェンス 武器なき戦争 Intelligence, the war without weapon

[本] 手嶋龍一・佐藤優.2006.『インテリジェンス 武器なき戦争』.

最近読んだ本のアップを怠っていて,どこから書くべきかわかりません。
ブルデューの『話すとは』について書こうかな,とも思ったのですが,
ちょっとそこまで体力がないので,一応ここら辺も挙げておこうかな・・・。

読んでへえー,と思ったのはおそらくこの手の本を手に取ったものとしてはかなり邪道な部分。そう,私は佐藤優氏にあまり良いイメージがなかったので彼の著作を読んだことがぜーんぜんなかったのです。ほら,ラスプーチンっていう渾名だけでもちょっとアレだし,SAPIOに記事が載ってるのも目立つし,更には例の大川周明の本書いた人だっていうんでかなり拒否反応があったんですよね・・・。手嶋龍一さんのは結構色々読んだんですけど。

なのでロシアとの関係が最近冷え込んでいる理由が,日本政府のチェチェン問題への対応が遠因だという意見は初耳でした。へええええええええ,と思いました。でも確かに考えてみると色々符号が合うような気も。

チェチェンは国際テロリストのせいで不安定なのだ,とプーチンが言った時,私はそれを通訳学校のブースでBBCやCNNを見せられて知りました。で,明らかにプーチンが9・11の尻馬に乗っているっていう印象を受けました。誰が信じるんだよー,圧政やめろよロシアー,って。キャスターのWar on Terrorismが圧制を正当化することに悪用されているって話に最もだと思いました。

ところが佐藤氏曰く,チェチェンは本当にアルカイダとつながっていて,あの件に関してはロシア側が正しい,と。イスラエルもそう言っているから裏も取れている,と。それを日本は知っていたのにG8で確信犯的に欧米側に回ってチェチェンは人権問題だとロシアを責めたのだと。

・・・・・・そうなの!??

ゴメン,プーチン。
欧米のメディアは偏っていて云々と眉間に皺をいっつも寄せている癖に酷いやつです,私ってば。

いや,だからと言ってジャーナリストだの亡命者だのを殺して良いということにはなりませんが,そうした
事件についても私は主に欧米のメディアを通して理解しているわけなので・・・・・・

やーーー。本当に情報って怖いですね。
情報が偏っていたら精神の自由なんて絵に描いた餅ですもんねーーー。
恐ろしい。知らないうちにどんどん私のオツムは固定観念に支配されている・・・

とりあえず,ロシアについてもう少し時間を見つけて読んでみようと思いました。あと,食わず嫌いならぬ読まず嫌いを改めて,佐藤優氏の本も一応読んでみようと思いました。

頑張るぞ!!

7 comments:

HILOKI said...

佐藤優の本はmasakoさん好みだと思いますよ。ロシアに限らず、日本のことに関しても点と点が結ばれる感覚を味わえると思います。『国家の罠』『獄中記』どちらも強く推薦します。
僕は彼の著作は全部読む予定で~す。

go said...

あ,ホント?その2冊面白かった??

今『北方領土 特命交渉』を読んでいます。本当は『国家の罠』が読みたかったのですが書店に置いていなかったので,『自壊する帝国』,『国家の崩壊』と迷った挙句こちらを選びました。

『自壊する帝国』か『国家の崩壊』は絶対読もうと思っています。『国家の罠』もやっぱり読みたいな。

どの程度情報を信じて良いのかはちょっとわからないし,やっぱり読んだ後も佐藤さんをイマイチ好きにはなれそうにないんですが,それでも気付きがあるだけでも価値が充分あるように思います。

それよりさー,モナッシュの例のサイトにTが北朝鮮の金融制裁についての記事を紹介してる(22日に私がモナッシュは極東について不勉強だと言ったところ25日にアップしてくれた模様。この真面目さがこの人の魅力だね。)んだけど,なんかちょっと違う感じなんだよね。

その記事はクリスチャン・サイエンス・モニターのやつなんだけど(なんでそういうとこから持ってくんだよ,と思いません?),北朝鮮は鉱物資源が豊富で,マカオの銀行が北朝鮮産の金(ゴールド)を買ってる疑いがあるから凍結された,ってあるわけ。

…そうなの???

いや,そりゃ鉱物資源が豊富だとは聞きますけど,採掘はまだ規模が小さいって話じゃなかったっけ???

ていうか口座凍結はマネーロンダリング,特に偽ドル札(スーパー・ノート)を扱っているっていう話が理由じゃなかったっけ???

何かモナッシュのサイトに出てる他の記事も結構へんてこりんなのが多くてあたしは不安です……(涙)

ていうかなんでこんなに口がすっぱくなるほど言ってるのに,クリスチャン・サイエンス・モニターがソースなの??他のもインターナショナル・ヘラルド・トリビューンとか,ブルッキングス研究所の出してる本とか・・・

韓国も北朝鮮もオンラインの英語記事沢山出してるんだからそっち読めば良いのに!って思いません??

go said...

あった!!!
これ?これが理由??
http://www.asahi.com/special/nuclear/JJT200612290010.html

ああーーそういうことか。銀行は北朝鮮産の金(ゴールド)を買うべきじゃない,って描いてある時の『銀行』マカオのじゃなくてロンドンの話なんだ。(にしてもわかりにくい書き方だな・・・)

けど記事にも書いてあるけどロンドンでは取引されてないって話だったはず?どっちかっていうとタイで金塊取引があったって報道されたことの方が記憶に新しいんだけど…

http://www.yomiuri.co.jp/feature/fe7000/news/20061226i101.htm

しかもこれ2006年12月26日の記事なのに,クリスチャン・サイエンス・モニターでは2007年1月22日に最新ニュース的に扱われているぞ……うーん……

とにかく金融制裁って金塊取引についてなんだ,とモナッシュキッズが思ったら困るなぁ……彼らはスーパーノートとか聞いたことないのかなぁ…

HILOKI said...

<佐藤氏>
僕は国家レベルのデータに関する二次資料を評価できる能力を持ち合わせていないので、データを信じる・信じないというよりは「世界の見方」を知るために読んでいます。
まだ『自壊する帝国』は読んでまでん。読みたいです。

<北朝鮮>
スーパーノートに触れられてないのは痛いですね。
マカオの問題は麻薬と偽札の問題であり、金融制裁ときたら主に偽札の問題になると思います。

ただ、クリスチャン・サイエンス・モニターだからダメとは思ってないです。
僕がこの新聞の存在を知ったときには「クリスチャン?しかもサイエンス?なのに政治記事?怪しすぎる・・・」と思ったものですが、記事の方向性にほとんど宗教は関係ないようで、中道左派的な新聞としてアメリカではインテリ層から高い評価を受けているようです。
この記事にしても、世界に散らばる現地記者(この場合は韓国の記者)が書いたものなので、部外者から見たテキトーな記事というわけではないと思われます。
実際に金正日に会った人の話も載せられていたりしますが、そういう記事はむしろ日本の新聞にも少ないですし。

北朝鮮はともかく(一次情報になってしまうので、信頼性の評価が必要になってしまいます。既に信頼性のフィルターがかかった二次情報の方がモナッシュキッズには読みやすいのでしょう)韓国の記事も触れられていないのはなぜでしょうね。
やっぱり「権威」ってやつでしょうか。

ただスーパーノートに関しても、「日韓の記事を読め!」とも言いにくいと思います。
日本の新聞であまりスーパーノートに関して詳しく説明されているのを見たことがありません。
僕が初めてスーパーノートに関して詳しい解説を読んだのはNew York Timesでした。
むしろこれはアメリカの問題であり、英語文献が豊富なはずなのにTが触れないことのほうが不思議です。

go said...

ね,スーパーノートについての投稿が一個もないってことにもビックリだし,その前にロンドン金市場についての記事がアップされるってのもどうかと思うよね……。しっかり,モナッシュ!!

うーん,確かにクリスチャン・サイエンス・モニターは定評のあるメディアだと聞きます。ただ,スーパーノートと北朝鮮との関係や,スーパーノートとマカオの関係については韓国のように証拠不十分だと長く言ってきた国もある(もちろん三八六主導と言われればそうかもですが)ので,米メディアにだけ頼るのはどうかなぁ……と。それに中央日報とか朝鮮日報とかも結構つっこんだ記事もあると思うよ。

でもそもそも,偽ドルよりも金塊取引を,しかも一ヶ月も経ってから報告しているところがダメだと思う。

ちなみに記者名はドナルド・カークってあって韓国人ではない特派員だと思うの。で,外国人特派員の書く記事って酷いものは本当に酷いじゃない??(豪亜大会に行った日本人とTやLの間ではデボラ・キャメロンっていうのが屑な外国人特派員の代名詞なんだけど,いかにもいい加減な理解で書いてるわけよ。)そういう記事を鵜呑みにすんなってもう百回くらい言ってるんだけどな……「韓国人は儲けられれば気にしない」っていう記事書いてるトリビューンの特派員もジェームズ・ブルックとかいう名前だしさ……偏見を感じるのは私だけでしょうか……?

HILOKI said...

「儲けられれば気にしない」のはむしろアメリカ人の気質なのでは・・・(あ、これも偏見かw)
デボラ・キャメロンという人は知らなかったのですが、記事を読んでみると確かにあまり頭が良さそうではありませんね。
「ある専門家が言った」という発言をつぎはぎにして、自分の意見を言っていないように装いつつ相当偏向している節が。

ただ日本の記者のイケてなさも相当なものなので、相対的にマシに見えてしまうのかもしれません。
たとえば;ビル・ゲイツが慈善事業について講演をした時、日本人記者がした質問が「お好きな動物は?」←幼稚園じゃないっての。

ちなみにTribuneは比較的多くの偽札記事を出していたと思います。しかも結構前から。
スーパーノートが北朝鮮の仕業と判明した1997年だけでも数本、
問題が表面化し始めた2005年からは60本以上の記事があります。

あと、super noteで記事を検索しても出てきませんが、単純にcounterfeitで検索するとけっこう記事が出てくる場合が多いです。
ニックネームは普及していない(つまり関心がない?)のでしょうね。

go said...

北朝鮮がスーパーノートの生産地だって話が出たのは96年じゃなかったっけ?確か中央日報かなんかには96年に特集があったような気がします。ちょっと今出てくるのは朝鮮日報のこれしかないけど・・・
http://english.chosun.com/w21data/html/news/199604/199604110405.html

でも確かに日本の記者も同じように能力のバラつきが凄いよね。本当「幼稚園か!」って思うような質問をする人もいれば,「良くぞ言った!」って思うような質問をする人もいる。

個人的には「ビデオニュース・ドットコム」の記者会見系のビデオは,そういう記者個人の評価をするヒントもあって好きです。たまに目から鼻へ抜けるような鋭い質問を繰り出す強打者がいて,本人には届かないのに拍手を送ってしまったりします。普通のテレビでああいう生の映像流してくれたら良いのに,と思いますが対外の人はご免蒙るでしょうね…。エンタメ性が低すぎて。