Sunday, June 04, 2006

[Book] 第一次文明戦争 La Premiere Guerre Civilisationnelle

[本]エルマンジュラ,マフディ.2001.『第一次文明戦争: 「新世界秩序」と「ポスト・コロニアリズム」をめぐって』.御茶ノ水書房

最初ちょっと意外でした。
というのは、この本は2003年のではなくて1991年の対イラク戦争について、南北対立が生んだ戦争だ、としているんですね。私が今まで読んだ本は、2003年のイラク戦については否定的でも、1991年のものには比較的肯定的でした。もちろんその後空爆を続けたことや経済制裁には否定的でも、突然隣国を侵略したことは正当化できることではないと思っていました。けれどこの本では例えばいかにクウェートが酷い国かが書かれている。また、いかに欧米の軍がアラブに進出するためにこの戦争を利用したかが書いてある。ちょっと新鮮な視点でした。ていうかかなり際どい。

著者はモロッコの有名な知識人です。

オーストラリアの友人の専攻がポスト・コロニアリズムです。私がたまに読むような中でそれ系の著者リストを送りました。誰かかぶってるかなぁーって思って。そしたらみごとにこの著者ともう一人を除いて反応が返ってきました。省かれた二人は英語圏以外の著者です。・・・・・・ちょっとがっかり。ポスト・コロニアリズム研究してるのに欧米の著者のものしか読んでないの・・・・・?それで良いのかなぁ・・・・・・。

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私は、一九七八年にローマで行われた第一回南北パネルでの報告で、北側は、南側の言語を話せないことはいわずもがなであるが、理解するための努力さえほとんどしていない、と論じた。(中略)
*北側が自分自身のそれとは異なる他の価値体系を把握したり、それらと和解したりすることを妨げている民族中心的な態度から帰結してくる文化的コミュニケーションの危機。端的に言えば、それは北側の文化的傲慢である。
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[Book] Elmandjra, Mahdi. 1992. La Premiere Guerre Civilisationnelle. www.elmandjra.org.

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