Thursday, June 01, 2006

【Book】演説討論雄辯美辭法 Dialectic and Retoric in Speech & Debate

【本】遠山淡哉.1903. 『演説討論雄辯美辭法』.求光閣書店.

ぐおおお。びっくり古い本です。いやはや。
明治36年にこんなディベートマニュアルが出版されていたとは・・・。
論題の設定の仕方から会場について、論理面に演出面の討論技術・・・。
今巷に溢れてるビジネス書とそっくりの構成です。
つまり内容は大してよくない(おいおい)
けど現代のものとのギャップはない。
どっちにショックを受けて良いのか謎。
今のが酷すぎると落胆すればいいのか、
昔のものが凄いと感心すればいいのか・・・
両方ともダメだと怒ればいいのか・・・
・・・多分最後のが正解・・・?

最後の12章に載ってる論題の例がこれまた笑える。
曰く・・・
- 節倹と吝嗇との可否
- 鎌足公と楠公とはいづれが国民の儀表とすべきや
- 珠算と筆算とはいづれの便なるや
- 智育、徳育、体育の中いづれを急務とすべきや
- 和洋服いづれの国朝典禮に適ふや
- 鉛筆書と毛筆書との優劣如何
などなどなど・・・

ダメダメな論題ばかりだ・・・。
どこかの何年前かの大会を思い出させる・・・

でもまあ興味深い一品です。

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殊に現行条約にては、敢て最恵国条件とか云うものではなく、所謂対等条約でありますから、権力のなき国と、之有国との交際に於いては、自然権力のある国語を修むるの必要があるが、既に対等の交際を為すに当って、ソー外邦人に屈してセツセツと、彼の国語を練習せんでも宜しからふと思ふ。却て我日本国固有の国語、国文を修め国俗の美を表し、彼をして日本化せしむるの必要が大切であらふ。之を為すも、唯實に言語文字の力であります。されば、私の益々国文の発達を奨励し、自国語を正して後、英語を修めよと云ふ論者であります。
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