Monday, April 09, 2007

[Book] 日本書紀 Nihonshoki

[本] 宇治谷孟.1988. 『日本書紀(上・下) 全現代語訳』.講談社.

うーーーん。。。確かにディベート向きじゃないかなぁ……

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 夏四月三日、皇太子ははじめて自ら作られた十七条憲法を発表された。
 一にいう。和を大切にし、いさかいをせぬようにせよ。人は皆それぞれ仲間があるが、全くよく悟ったものも少ない。それ故君主や父にしたがわず、また隣人と仲違いしたりする。けれども上下の者が睦まじく論じ合えば、おのずから道理が通じ合い、どんなことでも成就するだろう。(p.92)
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 三にいう。天皇の詔を受けたら必ずつつしんで従え。君を天とすれば、臣は地である。天は上を覆い、地は万物を載せる。四季が正しく移り、万物を活動させる。もし地が天を覆うようなことがあれば、秩序は破壊されてしまう。それ故に君主の言を臣下がよく承り、上が行えば下はそれに従うのだ。だから天皇の命をうけたら必ずそれに従え。従わなければ結局自滅するだろう。
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 十にいう。心の怒りを絶ち、顔色に怒りを出さぬようにし、人が自分と違うからといって怒らないようにせよ。人は皆それぞれ心があり、お互いに譲れないところもある。彼が良いと思うことを、自分は良くないと思ったり、自分がよいことだと思っても、彼の方はよくないと思ったりする。自分が聖人で、彼が必ず愚人ということもない。ともに凡人なのだ。是非の断りを誰が定めることができよう。お互いに賢人でもあり愚人でもあることは、端のない環のようなものだ。それ故相手が怒ったら、自分が過ちをしているのではないかと反省せよ。自分ひとりが正しいと思っても、衆人の意見も尊重し、その行うところに従うがよい。
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 十七にいう。物事は独断で行ってはならない。必ず宗と論じ合うようにせよ。些細なことはかならずしも皆にはからなくてもよいが、大事なことを議する場合には、誤りがあってはならない。多くの人々と相談し合えば、道理にかなったことを知り得る。(p.96)
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[Book] Ujitani, Tsutomu. 1988. Nihonshoki. Tokyo: Kodansha.

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