Saturday, May 06, 2006

【Article】反発と是正 Backlash and backtrack

サイード,エドワード.2001.「反発と是正」.『アル・アフラム・ウィークリー』.9月27日‐10月3日 553号.(邦訳は、中野真紀子訳.『サイード・オンライン』(Web Site), もしくは,『戦争とプロパガンダ』(みすず書房)で読めます。)

サイード・オンラインはおススメのサイトです。
短いエッセイの邦訳も原文もドンドン読めます。
大変太っ腹なサイトだと思います。

この記事が掲載されたのは9.11からわずか二週間と少しの時点です。
その時点でいかに反アラブ的言動が蔓延していたのか、統計にはビックリさせられます。

----------------------------------------
きのう発表されたギャラップ世論調査によれば、「すべてのアラブは、たとえアメリカ国民であっても、特別な身分証明書を携帯すべきである」という考えに、アメリカ人の四九パーセントが賛成している(四九パーセントは不賛成)。さらに、「すべてのアラブは、たとえアメリカ国民であっても、特別に設けられた厳重な保安検査を受ける」ことを要求する者は五八パーセントに及んでいる(四一パーセントは不要としている)。
---------------------------------------
おおやけの領域にアラブやイスラームについての肯定的な知識が存在するのであれば、それを頼みにして、極端にネガティブなイメージの横行に対し是正を図ることもできようが、そんなものはほとんど存在しない。貪欲で、執念深く、乱暴で、非理性的で、狂信的な人々というステレオタイプは結局いつまでもついてまわるのだ。この国では、ひとつの主義主張としてのパレスチナは人々の想像力をとらえるにいたっていない。とりわけダーバン会議の後ではその感がいちじるしい。
---------------------------------------

Said, Edward. 2001. Backlash and backtrack. Al-Ahram Weekly Online. 27 Sep. - 3 Oct. Issue No.553.

No comments: