Monday, May 15, 2006

【Book】コモン・センス Common Sense

【本】ペイン,トマス.小松春雄訳.1976.『コモン・センス 他三編』.岩波書店.

うーん・・・これが独立戦争を支えた本・・・?
なんかもっと自由と平等を熱く語った書なのかと思ってました。
ジョン・ロック万歳みたいなことが書いてあるのかなーって。

つまるところ、

- イギリス憲法は非合理的。国王は税金を喰うお荷物でしかない。
- 今独立戦争をすれば他国の介入を見込める
- アメリカ大陸側で戦えば相手は艦隊のメンテナンスや補給のためイギリスと往復しなければいけない。だからアメリカ側が何倍も有利。

というようなことが、双方の保有戦艦の数についてまで詳しく書いてありました。
なんかやけに実利面に焦点をあてた本でした。
まあ、霞み食って生きてるわけにはいかなかったってことか。
その方がまともかもしれない。けどやっぱちょっとがっかり。

ただ、党派を超えて団結しよう、みたいなことは何回も書かれていて、
移民たちもイギリスにいたころの地位とか、それによるマインド・セットが
なかなか抜けなかったんだなぁ...というのはわかります。
そのマインド・セットを崩すための本だから「コモン・センス」なのかな・・・。
どちらかというと「きっちり算盤はじけ!どっちがお得かは明白だぞ」って感じの本。
乙女の夢を返して欲しい。

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恐らくここに述べてある意見はまだ世論になり切っていないので、一般から支持されることはないだろう。物事を間違っていると考えようとしない長い間の習慣によって、すべてのものが表面上正しいかのような様子を示すものだ。そして初めはだれもがこの習慣を守ろうとして、恐ろしい叫び声を上げるのだ。だが間もなく、その騒ぎは静まる。理屈よりも時のほうが考え方を変えさせるのだ。
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いかにわれわれの目が外見によってくらまされ、耳が騒ぎ声でごまかされようとも、またいかにわれわれの意志が偏見によってゆがめられ、判断力が利害によって曇らされようとも、自然や理性の純粋な声はこのような政府が正しいと言うだろう。
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イギリスの政治形態の中にある構造上の欠陥を調べることは、今や極めて必要である。なぜなら有力な偏見に支配され続けていては決して他人の長所を認めることができないように、かたくなな偏見に縛られたままでいると、正しい自己評価ができないからだ。
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【Book】Paine, Thomas. 1776. Common Sense.

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