Sunday, May 07, 2006

【Book】身につけるディベートの技術 Debating Skills We Need

【本】茂木秀昭.2005.『身につけるディベートの技術』.中経出版.

著者はどうやらEast-Westの優勝者。
しかもKO卒。(つまりKESSのOBの方でしょうか)

大変読みやすい本ですが、ディベートにおける「合理性」「客観性」「論理性」などにちょっと夢を持ちすぎだと思います。カント以降は絶対的な客観性を信じている人は絶滅したのかと思っていました・・・。

ただ、確かにディベートには自分、自分と違う意見の人、聴衆、という最低三つのグループが関与します。他の2者に理解されないと困るので、一方的にスピーチするだけよりは相対的に内容が客観性に耐えるものになるとは思います。けれど「主観的な意見を離れ」と言ってしまうのはちょっと危険だと思います。

以下、引用。
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 これまで日本では、ディベートというと揚げ足取りや詭弁、単なる討論といったイメージが強かったのですが、実際にはこれまでの日本の教育に欠けていたいくつかの重要な訓練効果があることが、ようやく知られるようになってきました。
 企業では一九八〇年代前半頃から、ソニーや松下といった国際的な大企業がディベートを研修に取り入れてきましたが、現在では多くの企業や人事院、地方公共団体の研修などでも導入されています。
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 しかし、ディベートは単なる討論ではなく、徹底した調査を基に、客観的な根拠に基づいて両面から問題を分析して解決策を検証し、合理的な問題解決策を選択していく手法なのです。まず、論題(トピック)を設定(たとえば「当社は成果主義を導入すべきである」)し、準備の段階では賛成(肯定側)と反対(否定側)の両面から議論を組み立てたり、相手の反論を予想して対策を考えたりして、試合に臨み、最終的により合理的な問題解決策を選択していきます。あくまで討論は、合理的な問題解決に至るプロセスの一部に過ぎません。
 言い換えれば、ディベートは、主観的な意見を離れ、客観的に両面から問題を分析し、その本質を探る手法なのです。
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【Book】MOTEGI, Hideaki. 2005. Debating Skills We Need. Tokyo: Chukeishuppan.

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