Friday, May 12, 2006

【DVD】戦場のフォトグラファー War Photographer

【DVD】フレイ,クリスチャン.2001.『戦場のフォトグラファー』.

泣きました。

沢山の人に見て欲しい。
是非とも沢山の人に見てもらいたい作品です。

ディベートでは世界中の沢山の人と出会って、沢山の人と飲んで歌って騒いできたし、何よりも議論してきたけど、その誰もがそれぞれの国では最も恵まれている類の人たちだ。ディベートの国際大会では世界中から若い人間が集まって、戦争や貧困の悲惨に言葉で立ち向かうけど、夜にはバーに集まって騒ぐんだ。最終的にはやはりクラブ。そのことに罪悪感を感じないか、無駄ではないかと言われれば否定するのは難しい。 (現実は、そんな恵まれた彼らだって、途上国から来ていたり大学のサポートがないために参加には苦労している。殆どの国の学生にとって長距離フライトの航空券代は個人で支払える額ではない。物価の高い国が開催国だとレストランに行くのも躊躇われたりする。そうやって先進国のしかもリッチな大学がより参加しやすいという構造は避けられていない。)

けれど、ジム・ナクトウェイの写真を見て、声をあげる人は必要だと思う。というよりもそのために彼は写真を撮っているのだから。写真はコミュニケーションの形態だと彼はこの映画の中で語る。そのメッセージを的確に受け止めるのが私たちの仕事だ。メッセージを読み違えないよう、いつも自分を鍛えなければならない。 もしも読み誤って間違えた政策を支持すれば折角の苦労も水の泡になるのだから。自分を過信せず真摯に学び続けなければならない。

カンボジアの女の子の隣でサテを食べながら彼女の家族の体験を聞いたこと。
フィリピンの国立大の子とバスで国際企業のあり方について話したこと。
ユーゴの女の子と夜中の3時まで一緒に踊り狂ったこと。
そして彼らと議論すること。お互いの言葉でお互いをごしごし磨くこと。

そういうことが、自分のメッセージを読む力を鍛えなかったか、と言われれば、
少しは「なった」と言っても許されるのだろうと思う。
5年前の私より今の私のほうが彼らに興味を持っているから。
例えばこういう映画を、観たいと思うようになっているから。
それは少しでも冷血でなくなることだ。
それが大切なことだろうと思う。

【DVD】Christian Frei. 2001. War Photographer. Schweiz. 96min. color


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