Tuesday, May 16, 2006

【Book】人間知性新論 Nouveaux essais sur l'entendement humain

【本】ライプニッツ,ゴットフリート・ヴィルヘルム.米山優訳.1987.『人間知性新論』.みすず書房.

ロックの『人間悟(知)性論』に触発されて書かれた本。

中身は架空の二者による架空の対話で構成されている。
ロックの意見を代表するフィラレートというキャラクターと、ライプニッツ自身の意見を代表するテオフィルというキャラクターが、観念や言葉、認識について会話していく流れになっている。

だから、この人間知性新論は人間知性論抜きには語れないものがある。ところがこの人間知性新論の訳は複数出ているのに、元ネタの人間知性論は絶版ばかり。うーん・・・。それでは本編なしに続編だけあるみたいだ。

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フィラレート: ここでは、理性(raison)は或る能力と考えられます。それによって人間が獣から区別され、そこにおいて人間が獣を凌ぐことが明らかな、そういう能力です。私たちは、私たちの認識を広げるためにも私たちの意見を規制するためにも、それが必要なのです。よく考えてみると、それは二つの能力から成っています。中間的観念を見出すための聡明という能力と、結論を引き出す、ないし推論する能力とからです。そして理性には次の四つの段階を考えることができます。(1)論拠を発見すること。(2)諸論拠を一つの順序に配列し、諸論拠の間の連結を露わにすること。(3)演繹の各部分の内に連結を知覚すること。(4)そこから結論を引き出すこと。そしてこれらの段階は数学的論証の内に観察できます。
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フィラレート: 三段論法は確からしさというものについては更にもっと有用さは少ないか、あるいはむしろ全然有用でないと私は思います。
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【Book】Leibniz, Gottfried Wilhelm. 1765. Nouveaux essais sur l'entendement human.

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