Wednesday, May 10, 2006

【Book】エンツュクロペディー Enzyklopadie


【本】ヘーゲル,ゲオルグ・ウィルヘルム・フリードリッヒ.大北恭宏訳.1830. 『エンツュクロペディー 第一篇 論理科学』.文芸社.

いわゆるヘーゲルの「小論理学」と呼ばれているものです。
実はこれ、最初は岩波文庫版でよんだわけです。
したらチンプンカンプンだった。
ヘーゲルって夢遊病だったのかと思った。
「きっと眠ってる間にノートに書いてしまったことを後代の人がありがたがって出版してしまったに違いない!」と・・・。
そのくらいあんびりーばぼーにわかりにくかった。

で,もしかしたら訳がいけないのかもしれない。
と思ったわけです。だってさ、例えば・・・

「しかし、思惟的な考察をしてみればすぐわかるように、思惟的な考察というものは、その内容の必然性を示し、その対象の諸規定のみならずその対象の存在をも証明しようとする要求をそのうちに含んでいるものである。」とか。

もう「はあ??」って思ったわけです。

つまり・・・
「哲学はモノゴトの性質について知りたいだけじゃなくて、
そのモノゴトが実際に存在してるってことにも証拠が欲しいんだよ」
・・・ってこと?

ならそう書いてください・・・必要以上に話をややこしないで、おねがいだから。

いかんせん自分でいちいち現代語(?)訳しながら読まなきゃならないのでまどろっこしい。
時間がかかりすぎる。というわけで登場したのがもう一つの邦訳、この文芸社版なのでした。

で、結論から言うと・・・少しはマシだけどやっぱりわかりにくい。
用語は少しマシなんだけど、それでも「自分で自分を止揚していく」とかさ・・・。どうなのそれ。
加えて今度はインデントや記号の使い方がもの凄く読みにくくしている。
苦労の跡があちこちに見られるので、文句を言っちゃ悪いと思って頑張りはしたんですけど・・・

うーん・・・・・・将来もっと良い邦訳が出版されるのを楽しみにすることにする。

【Book】Gerorg Wilhelm Friedrich Hegel. 1830. Enzyklopädie der philosophischen Wissenschaften im Grundrisse, Erster Teil, Die Wissenschaft der Logik.

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