Tuesday, May 02, 2006

【Book】メディア論 Understanding Media

【本】マクルーハン,マーシャル.栗原裕・川本仲聖訳.1987.『メディア論: 人間の拡張の諸相』.みすず書房.

分かりにくい。
...なんでこんなに分かりにくく書けるんだ?

有名な「熱いメディア」「冷たいメディア」といった表現も出てきます。
著者は「沢山の批評家が誤解した」と彼らをバカ扱いして怒っているようですが・・・
文句言えないでしょ、こんなに分かりにくく書いたら・・・と思いました。

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 ド・トックヴィルがフランス革命にかんする早いころの著作の中で説明していたところによると、十八世紀に文化的飽和に達したときフランス国民を均質にしたのが印刷したことばであったそうである。フランス人は北から南まで同じ種類の人たちである。画一、連続、線状という活字の原理が、昔の封建的で口誦的な社会の錯綜の上にかぶさっていた。革命は新しい文学者や法律家たちによって成し遂げられたのであった。
 しかしながら、イギリスでは、古い口誦の慣習法の伝統が中世の議会制度の支持を受けて協力であったから、新しい視覚的な印刷文化の画一ないし連続は確固たる地位を築くことができなかった。結果的にイギリス史でもっとも重大な事件、すなわち、フランス革命に似た形のイギリス革命は起きなかったのである。アメリカ革命は放逐あるいは根絶すべき中世的法制度をもたなかった。ただ、君主制は別だった。そして、アメリカの大統領制はこれまでのヨーロッパの君主制に比べられないほど私的かつ君主的である。そう多くの人は言っている。
 ド・トックヴィルのイギリスとアメリカの比較は明らかに画一と連続を生む活字および印刷文化の事実にもとづいている。イングランドはこの原理を拒絶し、流動的あるいは口誦的な慣習法の伝統に執着した。そうド・トックヴィルは言う。ゆえに、イギリス文化の不連続で予測不可能な性格が生じたというわけだ。印刷の文法は口誦の書記されない文化や制度の伝えるメッセージを解釈する助けにならない。マシュー・アーノルドがイギリスの貴族階級を野蛮人と分類したのが適切であるというのは、その権力と地位が文字文化あるいは活字文化の形態と無縁であったからだ。
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 文字文化とその陶酔効果によって部族の民を脱部族化することができる。これが精神療医J.C.キャロザーズの『アフリカ人の精神―正気と狂気』(WHO、ジュネーブ、一九五三年)の主題である。
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【Book】McLuhan, Marshall. 1964. Understanding Media: The Extensions of Man. New York: McGraw-Hill Book Company.

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