Monday, May 22, 2006

【Film】許されざる結婚 Forbidden Marriages in the Holy Land

【ドキュメンタリー映画】クレイフィ,ミシェル.1995.『許されざる結婚』.66分.カラー.

ネタバレが多く含まれますのでご注意願います!

土曜日の夜に、アテネ・フランセ文化センターで観てきました。
上映後、酒井啓子さん、臼井陽さん、佐藤真さんのパネル・ディスカッションもありました。

ユダヤ人とパレスチナ人をはじめ、イスラム教徒のアラブ人とキリスト教徒のアラブ人など、異教徒間結婚についての作品。8組のカップルにインタビューしていました。

どのカップルも、凄く素敵な人たちでした。それぞれ、色々複雑な背景に考えさせられたり、それでも一緒になることを選んだ「身を焦がすような恋」っていうんですか、そういうのに感動したり・・・したのですが、ひとつ気になることが。 (酒井さんもその後のトークで言ってましたけど)

あるカップルへのインタビューで、「この結婚にあなたは満足していますか。色々あっても幸せですか」と質問されて、奥様が「ええ。この人が好きですもの」と、「ヤバイこの人可愛い」って感じの表情を見せていました。が。その直後、同じ質問をされたご主人。「うちの奥さんは素晴らしい料理ができます」

・・・・・・。

そこかよっ!!!
(さっきの感動を返せ!)

日本では「お袋の味」とか言われたら百年の恋も冷めると言われてますが・・・
これはイスラエルでは許容範囲な返答なんでしょうかね・・・?

そもそも、男と女じゃ失うものが違う的な発言をする奥様も登場します。敬虔なムスリムの場合、異教徒と結婚した女は死刑に値するのだとか(恐るべし、シャリア法)。これは男性には当てはまらないらしく、学校の授業中意見を求められて「何故男女で扱いが異なるのか納得できない」と発言する女生徒もいました。まあともかく、女性が異教徒に恋するなんていうのは姦淫罪扱いで、これが異教徒かつ異民族、しかもユダヤ人ともなるともう「これ以上重く恥ずべき罪はない」のだそうです。ほへー。ぐっと来たのは、「私の兄達は、私を殺すまで自分は結婚をしないと誓いを立てて、毎晩お祈りの時に私を殺せるよう神に祈っているのです」と寂しい目を見せるアラブ系の奥様の話でした。それはきついよねー・・・なのに隣で旦那が「僕の家はそういうことはないなぁー」って。お前!そんな暢気に!!

キリスト教アラブ人の男性とユダヤ人の女性というパターンでは、二人はどうやら音大で知り合ったようなのですが・・・男性の方は音大の教員になって、夢だった音楽を教える仕事に毎日を費やしていました。ひるがえって奥様の方は、アラブ人との交際が周囲に知れてクビになったと。でも現在の仕事場に移ってから問題は大きく減った・・・と言うのですが・・・。現在の仕事は、というとコンピュータのセキュリティ管理。「大学ではコンピュータの勉強もしたんですか?」と訊かれて、寂しそうな顔で「いいえ。全く。こうなって初めて一から勉強したの。夢に関しては妥協せざるを得なかったわ」と。その後個別のインタビューで、奥様は「こんなところ早く出て行きたい。全然違う場所でもっとのびのびと暮らしたい」とかなりヒステリックに言っていました。おわー。ストレスたまってんなー。やっぱ大変なんだなー、と思ったら・・・・・・。旦那は「ここでの生活は快適です。僕は都会が向いています。新刊が出ればすぐ目を通したいし、生徒たちも熱心だし、アラブとユダヤの両方の学生を教えられるのは魅力的です」と。。。うーん・・・・・・。都会は都会でももっと別の都会で暮らしたいのでは。奥様は。始終白眼視されて割り食ってんの奥さんだもんね・・・。旦那わかってねーな・・・。(ちなみにこの旦那、すごい知的なハンサムで、口調も柔らかで素敵でした(笑)。それだけにこの最後のシーンはムッチャがっかりしました。)

うーん・・・・・・。
燃えるような恋も良いけど、フェアでないと後で腹立つかもしんないぞ、ってことですかね。

あれ・・・?待てよ・・・?
マレイシアの友人でクリスチャンとムスリムのカップルを知ってるんですが・・・
あれって・・・ええっ・・・?大丈夫なのか・・・?
彼女の方が大して敬虔な家庭じゃなければ大丈夫なのかな・・・。うーん・・・。

【Documentary Film】Khleifi, Michel. 1995. Forbidden Marriages in the Holy Land. 66min. Color.

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