Sunday, April 30, 2006

【Book】アフリカ報道 Reports on Africa

【本】鈴木正行.2005.『日本の新聞におけるアフリカ報道: マクブライド委員会報告の今日的検証―外国通信社への記事依存度の変遷を視座にして―』.学文社.

ここのところ、「誤解される日本」を強調した記事や本を中心に紹介しました。
けれど、忘れてはいけないのは、日本は純粋な被害者ではなく、加害者でもあるということです。経済的な優位を盾に、途上国について「学ぶ必要性を感じない」日本のメディア。それは大変傲慢な姿です。一方で欧米のメディアを非難しているからこそ、より一層グロテスクなこの国の姿です。

先日ご紹介した倉田さんの記事に、日本人は英国の首相を知らなければならないけど、英国人は日本人の首相を知る必要性を感じていないという下りがありましたね。もちろんその例は多少古い。今は日本の首相を知っている人は80年代よりずっと増えたでしょう。けれど今、現在、日本の私たちは東南アジアやアフリカ、ラテンアメリカの国々の政治リーダの名前を言えない。日本人は自国の首相の名前を知らないと憤慨する一方で、貧しい国には同じ無関心と無視を押し通しているようです。

痛みを知らない人が他人の痛みを思いやるのは難しいかもしれない。
けれど私たちは痛みを知っているのだから、もっと違った対応ができる筈ではないのかと思うのです。

以下、引用。
-----------------------------------------------------
 世界を飛び交う情報の多くは,こと発展途上国について言えば,必ずしも正確なものではない。(中略)国を越えてゆく彼らの情報に対して,自らの言葉で語れていないということの現実。そうであるからこそ,つまり自らの言葉で正確に発信したいという願いが生じ,そこからこの”New Information Order=新情報秩序”という概念は生起した。
-----------------------------------------------------
 極東の日本にあってアフリカは今後も遠い大陸だろう。しかしだからといって無関心であっていい筈はない。マス・メディアのグローバル化,及び情報技術(IT)の発達によって,”地球”は十数年前に比べれば,はるかに狭く,そしてどの地域も遠い存在ではなくなってきている。メディア(情報)だけでなく,人の心もそれに伴って理解し合えるようにならなくてはならない。そのためにも多くの,そして正確な情報を,と願う。人々が関心を持つことによって,その正確さはより増すことになるだろう。
-----------------------------------------------------

【Book】SUZUKI, Masayuki. 2005. Reports on Africa by Japanese Newspapers: Contemporal Study on MacBride Report -From a view point of dependency shift on materials from foreign news agency. Tokyo: Gakubunsha.

2 comments:

Anonymous said...

buy tramadol with paypal buy tramadol cheap no prescription - buy tramadol overnight delivery

Anonymous said...

buy discount ambien buy ambien no prescription needed - how to buy ambien no prescription