Tuesday, April 25, 2006

【Article】国際情報交流 International Exchange of Information

【雑誌記事】永井道雄.1983.「国際的な情報交流に果たすべき日本の役割」.『新聞研究』.Vol. 382.pp. 59-66

うーん・・・まったくです、って感じ。これが23年前の記事なんだからやんなっちゃいますよね...

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 私は一九七七年にユネスコにマクブライド委員会が設置された時、マクブライド氏を含めた十六人の委員の一人として参加した。マクブライド委員会については、既に報告書も出されているが、最初の重要な争点は、発展途上国と先進国との間に十分なコミュニケーションがない、特にコミュニケーションがインバランスであることに対する発展途上国側の大きな不満であった。
 発展途上国は現在百か国を越え、軍事的、経済的、文化的な面で世界への影響力が大きくなってきている。それ故彼らは、従来のような欧米中心の、あるいはソ連を加えてもヨーロッパないしアメリカ中心のコミュニケーションの流れだけに従属せず、むしろそれを逆流させる形のコミュニケーションを要求したのである。
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 まず、こうした状況の中で、コミュニケーションについて日本を先進国とみるか、発展途上国とみるかについてである。現在、日本は経済的側面から見れば、世界のGNPの10%というシェアを持ち、後で述べるように、科学技術研究費も膨大である。そういう点で、日本を発展途上国というのは無意味である。しかし、日本が西洋諸国との間に均衡ある自由なコミュニケーションを開発するために相当な努力をし、成功したかというとそうではない。(中略)では、”入超問題”をどうしたらよいか。非常に大きな問題であるが、端的に言うと、受信だけでなく、送信を行わなければならない。そして、受信と送信の両面を含む「交信」が、欧米諸国はもちろん、ソ連や中国、発展途上国との間に必要とされる。(中略)しかし、これは言うはやさしいが、行うとなると極めて難しい。なぜならば、これは、日本人だけの心構えやシステムを変えることによって達成されるものではないからだ。なにぶんにも、日本から送信する時に、受信側が本当に受信する気持ちになるかどうかという問題を含むわけだから、難題である。
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【Article】NAGAI, Michio. 1983. Japanese role in international exchange of information. Newspaper Research. Vol.382. pp.59-66

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