Friday, April 07, 2006

【Book】憲法原論 Principles of Constitution


【本】小室直樹.2006.『日本人のための憲法原論』.集英社

読んじゃいました。
笑い狂いました。
面白い。

単純化しすぎかもしれないけど,判りやすいのは大切だと思います。
民主主義と資本主義についてサクッと30秒の説明ができるようなスキルが欲しければ一押し。

終盤70ページくらいはちょっと強引すぎるように感じました。おそらく前半部分も同じくらい強引なのでしょうが気づくだけの知識が私にはないのでしょう。まあ,強引でも一つの見方として一貫性が高いから良いんじゃないでしょうか。

文体が嫌い,馬鹿にしている,傲慢...という人も多いようですが,
74歳のお爺ちゃんに子ども扱いされたと怒っても仕方なくないですかね(笑)

492頁あるので、まあ、読むのもちょっとかかります。
私の場合トータルで6時間かかったと思います。
でも6時間の価値はあったかな。

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いったい刑事裁判は誰を裁くためのものか。
それは検察官であり、行政権力を裁くためのもの。
裁判で裁かれるのは、被告ではありません。
行政権力の代理人たる検察官なのです。(p.42)
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 国家権力をもってすれば、どんな証拠でもでっちあげられるし、拷問にかけて嘘の自白を自由に引き出す事だって簡単にできる。そこまで意図的ではないにしても、誤認逮捕などはしょっちゅう行われているに違いないと考えるのが近代裁判なのです。
 言うなれば検察=性悪説が近代裁判の大前提。国家はひじょうに強大な権力をもっているのですから、その権力の横暴から被告を守らなければならないというわけです。
 ですから、刑事裁判では検察側に1点でも落ち度があれば、ただちにアウトです。少しでも法に触れる捜査をしたり、手続き上のミスが1つでもあったり、真実の証明が少しでも不完全ならば、検察は負け、被告が勝つ。鵜の目鷹の目で検察側の落ち度がないかを調べるのが、裁判官の本来の仕事です。(p.44)
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 しかし、ここで「警察は場合によっては法律を無視してもよし」という前例ができたら、次はどうなりますか。一人の犯罪者を逮捕するために法律が無視されたことで、その後、無実の人がどんどん刑務所に放り込まれてもいいのですか。
 近代法の思想を一言で言うと、「1000人の罪人を逃すとも、1人の無辜を刑するなかれ」ということにあります。
 権力の犠牲になって、無実の人が牢獄に送り込まれることだけは、何としてでも避けなければならない。権力の横暴を絶対に許してはならない。
 みなさんもご承知の「疑わしきは罰せず」という原則も、ここから誕生したのです。 つまり、検察側が勝利を収めるためには、犯罪を完璧に立証しなければならない。そこに少しでも疑問の余地があってはいけないし、ましてやデュー・プロセスの原則を踏み外してもいけない。検察側はパーフェクト・ゲームが求められているわけです。
 もちろんその結果、ジョンソンのような犯罪者が無罪になることがあるかもしれない。しかし、その害よりも権力の害のほうが文句なく大きいと考えるのが、近代法の精神であり、デモクラシーの精神なのです。1人の犯罪者ができる悪事より、国家が行う悪事のほうがずっとスケールも大きいのです。(p.50)
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 国家権力というのは、恐ろしい力を持っている。警察だって軍隊だって動かすことができる。(p.53)
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【Book】 KOMURO, Naoki. 2006. Nihonjinnotameno Kenpo Genron (Principles of Constitution for Japanese). Tokyo:Shueisha

I recently read a brandy new book of Komuro Naoki. (I can easily imagineyour facial expression here. :p) But it was fun!! I think his simplified explanation is very useful in debating.

I disagree with himespecially in the last 70 pages but I learned a lot from this book. :)
His explanation on democracy and capitalism makes sense in many ways.

People say that he is arrogant and oh, well, he is.
But he is indeed knowledgeable as well.
And he is 74 years old.
Can't blame him for treating us like kids. ;)

It has 492 pages.
It took me 6 hours to read through.
But I guess it's worth 6 hours. :)

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