Sunday, April 30, 2006

【DVD】大量偽装兵器 Weapon of Mass Deception


【DVD】シェクター,ダニー.『大量偽装兵器』.シネマリブレ.

2004年のデンバー映画祭とオースチン映画祭の最優秀ドキュメンタリ賞を受賞した作品。

何故、そして如何にイラク戦争の報道が偏向し、事実に背を向けたかというドキュメンタリー。

国内メディアでは放映されることのない映像の数々。

例えば、報道陣が沢山泊まるホテルがFriendly Fireされる(味方の筈の軍から爆撃されること)シーン、血まみれの同僚を助けるべく奔走するジャーナリスト達。何故、米軍は報道陣の定宿を爆破するのか?呆然とするジャーナリスト達の表情。恐ろしい可能性を認めるのに苦しんでいるように見える。

内容はつくづく恐ろしい。我々は、命の危機に晒されるジャーナリストに軍に逆らう報道を行うことを要求できるのだろうか。「何故真実を報道しない」と、安全地帯の居間で彼らを非難するのは容易だけれど、私たちは彼らを守るために何かできているだろうか・・・。

映像の中には、「助けて」と泣き叫びながらしかしハンディカムを手放さない日本人女性ジャーナリストや日本語で「何かしろよ!撮ってないで!」と怒鳴る報道者の姿もある。何故我々はこれを国内のメディアで見なかった??何故海外で細々と販売されるDVDで見ることはできても国内メディアで見ることはできないのか?日本のジャーナリスト達の命が脅かされている。これは大切なこと、私たちが知っておく必要のあることではないだろうか。特にNHK。NHKに税金が使われたり視聴料がかかるのは、我々市民の「知る権利」を保障するためではなかったのか。そして私たちはどうしたら真実を伝える特派員の安全を確保できるのだろうか。

国境なき報道陣(Reporters without borders)」によれば、イラク戦開戦以来の3年間にイラクで命を落としたジャーナリストは88人です。

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【DVD】Schechter, Danny. 2005. Weapons of Mass Deception. Cinema Libre.


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